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Surgery Partners, Inc.SGRY
事業内容
Surgery Partners, Inc.は全米で外来手術施設や付帯サービスのネットワークを所有・運営する医療サービス企業です。 同社は外来手術センターや短期滞在型手術病院を中心に展開し、全米で200以上の拠点を運営、2024年の患者サービス収入は約31億ドルに達しています。
同社の主要な顧客は手術を行う医師と民間保険や公的保険の支払者で、収益は施設で実施する手術件数と保険からの支払いが中心です。 医師との提携や保険契約を通じて患者紹介と利用率を高めることで、収益性を向上させています。
事業構成は外来手術センター(ASC)、短期滞在型の手術病院、麻酔サービス、応急診療や多科の医師診療所などで成り立っています。 同社は新規施設の開発から機器調達、開院後の運営支援やマーケティングまで一貫して行い、地域ニーズに合わせたサービスラインの拡大を図っています。
経営方針
同社は収益・稼働率の拡大を通じて売上と営業キャッシュフローを伸ばすことを目指しています。実績として2024年度の売上は31億ドルと前年から13.5%増加し、営業ベースの指標である調整後EBITDAは5.082億ドルで16.0%の増加を達成しました。経営陣は米国の外来手術市場を大きな成長機会と見なし、外来手術センター(ASC)市場は約350億ドル、病院外来部門は約550億ドル、さらに入院から外来へ移行可能なケースで600億ドル程度を含めた総合的な想定市場(約1,500億ドル規模)をターゲットとしています。
同社は医師との関係構築を最重要の投資分野と位置づけ、医師に対する出資機会の提供や地域ごとのリクルーティングを通じて差別化を図っています。具体的には、既存施設の同一施設ベースでの収入が2024年に8.0%増加しており、1症例当たり収入は4.0%、症例数は3.9%増という成果が出ていることから、診療科拡充や医師誘致による有機的成長を重視する施策が奏功しています。また、同社は規模の利点を活かし、調達や運営プロセスの標準化でコスト管理を進めることで収益性を高めています。
成長の実行手段として同社は選択的な買収と新規開発を並行しています。2024年には支配権を取得した8施設と複数の医師診療所を合わせて約3.788億ドル(現金ベース)で取得し、既存施設の統合や新設のデノボ開発も継続しています。新市場参入時には事前に競合環境や規制、需要予測を詳細に分析し、地元医師や医療システムとの共同事業で進めることでリスクを抑えつつ展開を図っています。
技術革新面では、手術機器の更新や情報システムの導入で運営効率と品質を高める取り組みを進めています。具体的には、予約・手術スケジュール管理の改善、器材調達の集中化、診療結果や品質指標の報告体制強化といったIT投資を行い、病院や保険者との価値連携(費用対効果を重視した契約)にも備えています。こうした投資により手術回転時間の短縮やコスト低減を目指し、長期的にASCシフトが進む市場で収益拡大を図っています。