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Global Self Storage, Inc.SELF
事業内容
Global Self Storage, Inc.は、米国でセルフストレージ(貸し倉庫)物件の取得・保有・運営・再開発を行う不動産投資信託(REIT)です。同社は住民向けと法人向けに、手頃でアクセスしやすく安全な収納スペースを月単位で提供し、従来型や温度管理付きのユニット、屋内外の車両保管まで備えた施設を運営しています。
主要な顧客は個人の生活者と商業利用者で、同社の収益は主に賃料収入が中心です。契約は月単位が多く、入居時の割引や賃料管理、遅延・管理手数料などの副次的な収入も加わり、占有率と賃料の変動が収益に直結します。
同社は単一の事業セグメントである賃貸事業を中心に運営しており、2024年末時点で13店舗、約96.7万平方フィート、7,049ユニットのポートフォリオを抱えています。各店舗は看板や無人端末、現地の管理者、コールセンターによる顧客対応を行い、デジタル広告や地域特性を踏まえた取得戦略で中小規模の物件取得と価値向上を図っています。
経営方針
同社は資本効率を高めながら規模と収益性の拡大を目指しています。2024年末時点で同社は13店舗、合計967,187平方フィート、7,049ユニットを保有・運営しており、事業資金として合計約$24.8百万(現金等$7.2百万、時価有価証券$2.6百万、クレジット枠$15百万)を確保しています。2024年は新規買収を完了しませんでしたが、複数の物件・ポートフォリオを継続して精査しており、株主還元の一環として2025年3月には1株当たり$0.0725の配当を宣言しています(発行済株式数は約1,126万株、2025年3月14日時点)。
同社の重点投資分野は既存店の再開発・拡張と高付加価値ユニットへの転換です。過去の具体例として、Millbrookでは約11,800平方フィートの全気候管理ユニットを追加し、McCordsvilleでは商業スペースを転換して合計76,360平方フィート・535ユニットに拡張、West Henriettaでは約7,300平方フィートのドライブアップユニットを増床しました。これらの投資は一時的に稼働率を低下させるものの(完成直後で40〜80%台に低下した例がある)、6〜18か月で90%台前半まで回復しており、気候管理ユニットやアクセス性の高いドライブアップ型を柱に差別化を図っています。加えて、同社は入居率・既存顧客の収益向上を狙った独自の料金管理やデジタル・ドライブバイ・紹介型マーケティングを導入し、低コストでクレジットカード利用者など「質の高い顧客」を獲得することを目指しています。
新市場の開拓と事業拡大は、取得戦略と管理事業の拡充を両輪としています。同社は中西部・北東部・中大西洋地域の二次・三次都市を主な対象とし、開発障壁が高く需給が安定しやすい市場で単独店舗や小規模ポートフォリオの取得を目指しています。また、第三者管理サービス「Global MaxManagementSM」を通じた成長も重視し、2024年末時点で既に第三者所有物件1件(エドモンド、オクラホマ:137,318平方フィート、619ユニット)を管理しています。資金面では借入と自己資本を使い分け、将来の買収や拡張は債務・株式・合弁など条件が有利な手段を選択する方針で、既存のタームローン($20百万、利率4.192%、満期2036年)や利用可能な$15百万の回転クレジット枠を活用可能としています。
技術革新とリスク管理にも取り組んでおり、同社は入居時の料金最適化システムや既存顧客向けの収益管理、24時間稼働のキオスクやコールセンター、自動引落しの導入などで顧客利便性と回収率を高めています。情報セキュリティ面では外部専門家の活用、ウイルス対策やメール保護、強固なパスワードと多要素認証、定期的な従業員教育と事業継続テスト、取締役会への定期報告を実施しており、財務面では金利上昇リスクに備えたヘッジ(例:2024年に締結したノミナル$7.5百万、行使利率5.25%の金利キャップ取引、初期プレミアム$57,000)を組み合わせることで安定的な事業運営を目指しています。