SOUTH DAKOTA SOYBEAN PROCESSORS LLCSDSYA

時価総額
$2.1億
PER
大豆の加工・油脂精製の有力企業。大豆ミールと大豆油の加工・販売を展開。会員約2,200人が出資、2023年9月着工のミッチェル工場を2025年Q4稼働予定で建設、2024年に総額3,950万ドルの分配を実施。サウスダコタ州中心に展開。

事業内容

SOUTH DAKOTA SOYBEAN PROCESSORS LLCは、サウスダコタ州で大豆の加工と大豆油の精製を主力とする企業です。同社はVolgaとMillerに自社工場を持ち、地元産の大豆を大豆ミールと大豆油に加工して販売しています。さらにMitchellで建設中の大型施設により、今後の生産能力拡大を目指しています。

同社の主要顧客は飼料メーカーや畜産業者、食用や工業用の油を扱う食品・燃料関連企業で、製品販売が収益の中心です。約2,200名の会員農家が原料を供給し、会員構成と製品販売からの収益を基に分配を行う仕組みを採っています。加えて、工場の建設や運営に関する請負サービスも収益の一部になっています。

同社の製品ラインは大別して大豆ミールと大豆油で、油は粗油や精製油など用途に応じた複数のグレードを揃えています。Volgaの施設には精製設備や品質管理ラボがあり、Millerは小規模処理、Mitchellは完成後に大規模生産を担う予定です。効率化や付加価値化、垂直統合を進めてマージン改善を図っています。

経営方針

同社は地域の原料調達を基盤に、製造規模の拡大と会員価値の向上を成長の最優先課題としています。具体的には、ミッチェル工場(敷地296エーカー)の建設を進めており、2025年第4四半期の稼働開始を見込んでいる点が成長の柱です。加えて過去2年間で設備投資が大幅に増加しており、2024年には約1億7,569万ドルの有形固定資産取得を計上していることから、処理能力の拡大と製品ミックスの高度化により、処理マージンの拡大と安定的な分配(2024年の分配39.5百万ドル=1株当たり130¢、2023年は36.5百万ドル=120¢)を目指しています。

重点投資分野は製造設備と付加価値化です。ボルガ(98エーカー)やミラー(約24エーカー)の既存プラントに加え、品質管理ラボや精製・脱臭設備へ投資し、食用油からバイオディーゼル、化学用油まで複数の用途に対応することを差別化要因としています。同社は原料の地産地消を活かし、高品質の大豆ミールを飼料向けに、複数グレードの大豆油を食品・エネルギー・化学分野へ供給することで、大手の大量処理能力と異なる地域密着型の付加価値で競争優位を構築しようとしています。

新市場開拓と事業拡大については、ミッチェル稼働による供給量増加を起点に、既存の顧客層(飼料メーカーや畜産業者)に加えて食品・バイオ燃料・化学分野への販路拡大を図る計画です。市場流通面では、状況に応じてシカゴ市場の先物と連動させた倉庫受渡し(CBOTの規程に基づく)などを利用する柔軟性を確保しています。資金調達面では、2023年・2024年に資本ユニットの発行で合計約1億5,557万ドルを調達しており、銀行(主債権者はCoBank)からの融資枠や自己資本を組み合わせて成長資金に充てています。

技術革新とリスク管理では、設備の効率化と情報技術の強化を並行して進めています。品質管理や生産性向上のための運転最適化に加え、サイバーセキュリティ体制を整備しており、最高執行責任者(COO)がITセキュリティプログラムを主導、ITSPグループと外部専門家による定期的な監査・脆弱性評価・訓練・インシデント対応計画を実施しています。金融面の感応度も管理しており、変動金利債務に対する金利変動リスクは公表値で1%の上昇が年間約354.7万ドルの影響になる試算を踏まえて、ヘッジと借入条件の組合せで総合的に対応しています。