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SOUTHERN COPPER CORPSCCO
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事業内容
SOUTHERN COPPER CORPは主にペルーとメキシコで銅の採掘から製錬・精製までを一貫して行う金属大手です。同社は銅(コンセントレートや電解銅)を主力に、モリブデン、銀、亜鉛、硫酸といった副産物も生産しています。
同社の収益は金属販売が中心で、通常は生産量の約80〜90%を年次や長期契約で販売することで安定した売上を確保しています。主な顧客は米国、欧州、アジア、南米のエンドユーザーで、価格はLMEやCOMEXなどの国際市場や契約条件に連動して決まります。
事業はペルー事業、メキシコの露天掘り事業、IMMSAユニットの三つの主要セグメントで運営しています。同社は露天・地下鉱山、製錬所や精錬所を組み合わせた大規模な生産体制を持ち、資本投資や探査を継続して将来の供給力と顧客対応力を高めています。
経営方針
同社は中長期の成長戦略として、銅生産量を2032年までに150万トン(1.5百万トン)に引き上げることを明確に掲げています。成長投資は既に進行中で、2024年の資本支出は10億273万ドル($1,027.3M)で、これは純利益の30.3%に相当しました。さらに取締役会は2025年の資本投資計画として15億9,800万ドル($1,598.0M)を承認しており、同社はこの投資で生産能力の増強と長期的な量産体制の確立を目指しています。財務面では2024年の売上高は1兆1,433.4百万ドル($11,433.4M)、当期SCC帰属の純利益は3,376.8百万ドル($3,376.8M)と高水準で、成長投資の資金基盤を確保しています。
同社は重点的に鉱山設備、選鉱設備、製錬・精錬設備への投資を行い、差別化を図っています。例えば、Buenavistaの亜鉛選鉱所はフル稼働状態にあり、2024年には亜鉛販売量が前年から44.6%増といった成果が出ています。また、販売面では全生産の約80〜90%を年単位以上の長期契約で安定的に販売する方針を取り、エンドユーザー向けに直接販売することで市場変動の影響を緩和し、顧客サービスや納期厳守で差別化を図っています。電力面では風力発電事業者との電力購入契約により年間611,400 MWhの供給を確保するなど、エネルギーの安定化とコスト管理にも注力しています。
新市場や事業拡大では複数の新規プロジェクトと探鉱活動を並行して進めています。技術報告の同意書が提出されているプロジェクトにはEl Arco、Los Chancas、Michiquillay、Tía Maríaなどがあり、これらの開発を通じて鉱区の拡大と生産基盤の延伸を図る計画です。2025年には関心分野の評価を行い、運営クラスターの形成を想定するなど、地域別・資源別の最適配置で事業拡大を目指しています。資本配分では株主還元の選択肢も維持しており、かつては最大30億ドル($3B)の自社株買い枠が承認されていますが、2016年第3四半期以降は買い付け実績がない点も投資家は注目すべき事項です。
技術革新については、生産効率向上とコスト安定化のためにIT・プロセス改善や人的資源への投資を進めています。具体的には従業員教育へ2024年に約480万ドル($4.8M)を投じ、合計で約646,000時間の研修を実施しました。価格変動リスク対策としては天然ガスなどのコスト安定化を目的にデリバティブ(価格変動を抑える金融手段)を必要な範囲で活用しており、事業計画では銅1ポンド当たり$3.50、モリブデン1ポンド当たり$10.00といった保守的な価格前提での感応度分析を行うなど、リスクを織り込んだ技術的・財務的な裏付けの下で投資を進めています。