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STARBUCKS CORPSBUX
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事業内容
STARBUCKS CORPは世界有数のスペシャルティコーヒーの焙煎、販売、店舗運営を行う企業です。同社は主に店頭でハンドクラフト式のコーヒーや飲料・食品を提供しており、焙煎豆や缶・ボトル入りの飲料、家庭向けコーヒー製品も各チャネルで展開しています。
同社の主要顧客は日常的に店舗を利用する一般消費者で、モバイルアプリやロイヤルティプログラムを通じた常連客の比重が高いです。収益は会社運営の店舗売上が中心で、北米事業が約75%を占める一方、包装済み商品やライセンス収入、卸売や提携先を通じたチャネル開発も重要な収入源になっています。
事業セグメントは主に会社運営の店舗、ライセンスによる店舗、そして小売・業務用向けのチャネル開発に分かれています。同社は店舗での顧客体験向上のためデジタル化や配達サービスに投資するとともに、プレミアムラインや家庭向け商品の拡充、ネスレとの提携などで収益の多様化を図っています。
経営方針
Starbucksの成長戦略は、新規店舗の出店、既存店の売上改善(コンパラブルストアセールス)、および営業利益率の管理を軸に据えています。同社はこれらの指標を重視しており、2024会計年度の連結売上高は362億ドルと前年から1%増加しましたが、顧客来店数の減少や為替の影響で既存店売上は足元で下振れしています。北米は全体の約75%を占め、同年は北米売上が2%増えた一方で既存店売上は地域で約2%の減少、取引数は約5%減少し平均客単価が約4%上昇というミックスでした。同社は新しい最高経営責任者のもとで「Back to Starbucks」戦略を掲げ、顧客を店舗に呼び戻し成長を回復することを目指しています。
重点投資分野は店舗体験の強化と従業員(パートナー)支援、商品開発とマーケティング、サプライチェーンや持続可能性への取り組みです。同社はパートナーの働きやすさとトレーニング、店内の顧客体験向上に資本を振り向けることでブランド差別化を図っており、コーヒーの倫理調達プログラム「C.A.F.E. Practices」により歴史的に98%近くのコーヒーを検証済みとするなど供給面での信頼性も掲げています。さらに、星付きの限定商品やStarbucks Reserveなどの高付加価値商品で“コーヒーの試飲体験”を差別化する施策を進めています。
新市場開拓と事業拡大では、既存の成熟市場(米国など)での最適化と、中国を含む高成長市場での積極出店を両輪にしています。同社は世界87市場で事業を展開しており、過去12か月の会社運営店舗の純増が売上増につながったことを明示しています。ただし中国は同社にとって第2の重要市場であり、競争・規制・マクロ環境の影響を受けやすいため、現地事情に合わせた運営やライセンス比率の最適化、資本配分の見直しと効率化を進める計画です。株主還元は配当と自社株買いで行っており、2024会計年度の配当総額は約26億ドル、直近四半期の1株配当は0.61ドルでしたが、自社株買いは四半期によって停止・調整されることがあり得ます。
技術革新については、デジタルプラットフォーム、モバイルオーダー・決済、ロイヤルティプログラム、配達サービスへの投資を通じて顧客接点を強化しています。同社は業界内で先行するデジタル基盤を活用し、アプリを通じたパーソナライズや利便性向上で来店頻度と一回当たりの購入金額を引き上げることを目指しています。一方でこれらの投資が期待通りの顧客行動変化に結びつくかは不確実性を含むため、効率的な資本配分と効果検証を並行して行う方針です。