SILVERBOW RESOURCES, INC.SBOW

時価総額
$9.4億
PER
3.1倍
油天然ガスの探査・開発・生産の有力企業。イーグルフォードとオースティンチャークの資産開発を展開。23年11月の大型資産取得で事業拡大・24年資本予算470〜510百万ドルで水平井62本(49本ネット)計画。従業員134人(23年12月31日)・米国テキサス中心に展開。

事業内容

SILVERBOW RESOURCES, INC.はテキサス州のイーグルフォードおよびオースティンチョークを中心に原油、天然ガス、NGL(天然ガス液)の探査・開発・生産を行う独立系のエネルギー会社です。同社は多くの物件を自ら操業して生産の管理とコスト低減を図り、掘削と施設運用を通じて資源を市場に供給しています。

同社の収益は主に原油・天然ガス・NGLの販売収入に依存しており、商品価格の変動が業績に直結します。販売先はミッドストリーム事業者やトレーディング会社などが中心で、価格変動リスクを抑えるために価格保護の仕組みを活用しています。

同社は事業を単一のセグメント(探査・開発・生産)として報告し、特定の地層に集中して効率的な掘削と生産改善に注力しています。年末時点で横方向掘削候補地が多数あり(総計981地点で油重視が約780地点、ガスが約201地点)、2024年は約4.7〜5.1億ドルの資本支出で約62本の掘削を計画しています。

経営方針

同社は短中期的に総合的な成長を図ることを目指しています。具体的にはテキサス南部のイーグルフォード層とオースティンチャークに約222,000ネットエーカーを保有し、2023年末時点で証明埋蔵量は446百万Boe(うち37%が油・液体)を有しています。2023年第四四半期の生産は約72千Boe/日で、PV-10(割引後の将来純収入の非GAAP指標)は約27億ドル、標準化指標は約23億ドルと評価されています。2024年は開発予算を4億7,000万〜5億1,000万ドルに設定し、62本のグロス水平井(49本のネット)を掘削する計画で、同社はこれを主として営業キャッシュフローと借入で賄う方針です。

同社は重点投資分野としてイーグルフォードとオースティンチャークの集中的な権益拡大と効率的な掘削開発を掲げ、そこで差別化を図ることを目指しています。集中的で連続した面積保有により、複数井を一つのパッドから掘る「パッド掘削」によって施設費や運営コストを下げることが可能であり、2023年末時点で9​81のグロス水平掘削ロケーション(うち780が油主体、201がガス主体)を保有しています。また技術チームの平均経験は約15年で、掘削時間短縮や横線誘導、破砕設計の最適化(フルイド・プロパント量やステージ間隔の調整)などで回収率向上とコスト低減を進めています。財務面では信用枠の利用可能額約4億7,800万ドルと、1.2億ドルの借入基準に対して7.22億ドルを借り入れている状況を踏まえ、流動性を確保しつつ機動的な成長を目指しています。

事業拡大では戦略的な買収とリーシングを継続する方針です。過去数年で複数の地域資産取得を実行しており、直近ではチェサピークからの資産買収に現金で約6億0,500万ドルを支払い(一部は借入)、この取引により取得した資産は稼働能力としては約1万9千Bbls/日と77MMcf/日のネット生産を付加しましたが、2023年の通年寄与は年末クロージングに伴い約1,600Bbls/日と7MMcf/日にとどまりました。こうした買収は同社が技術力を複数エリアに横展開するだけでなく、価格変動に応じて油主体・ガス主体の開発比率を調整できるバランスの取れた在庫形成にも寄与しています。加えて、価格変動リスクに備えたヘッジ戦略を採り、原油・天然ガスは2026年第四四半期までの保護を重ねている点も特徴です。

技術革新については現場での実務改善を中心に取り組んでいます。同社は「コスト効率の高い技術」を明記しており、良質な層を選定するための地質解析や横穴の最適配向、破砕(フラッキング)設計の高度化に資本とノウハウを投入しています。これにより掘削時間の短縮、得られる生産の最大化、プロパントや薬液の使用効率向上を図り、成功した手法は社内で横展開して他フィールドの生産性向上につなげています。また人材面でも技術教育や現場ノウハウの継承に投資し、経験豊富なチームによって技術革新の実行と定着を進めているのが同社の特徴です。