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SBC Medical Group Holdings IncSBC
事業内容
SBC Medical Group Holdings Incは、主に日本を拠点に美容医療の治療院を所有・運営し、フランチャイズのクリニックに対して経営支援サービスを提供する持株会社です。同社は広告・マーケティング、予約管理、医療機器や化粧品の調達・再販など、クリニック運営に必要な幅広いサービスをワンストップで提供しています。
主要な顧客は関係会社である医療法人(MCs)やフランチャイズ契約を結ぶ診療所で、同社の収益はこれらのクリニックからの管理サービス料や物販のマージンが中心です。同社は日本で多数のフランチャイズ治療拠点を持ち、ベトナム、シンガポール、米国にも展開しており、リピート率の高さが収益の安定に寄与しています。
事業は大きくフランチャイズ向け管理サービス、直営・関連会社による診療所運営、教育・技術開発の三本柱に分かれます。同社の管理サービスにはSNSを活用した広告、スタッフの採用・研修、内装・設備手配、ITを使った遠隔診療ソリューション、顧客向けポイントや決済ツールの運用などが含まれ、教育面ではAIやVRを用いたシミュレーターで医師の技術標準化を進めています。
また、同社は国際展開とM&Aにも積極的で、近年シンガポールのクリニックグループを買収するなど成長を図っています。同社はブランド力と技術投資を軸に、サービスの標準化と事業拡大を目指しています。
経営方針
同社はフランチャイズ展開と国際展開を軸に成長を目指しています。現在は日本を中心にフランチャイズクリニック241院に対して経営支援を行っており、2024年には累計顧客数が600万人超、リピート率は約71%と高い顧客基盤を有しています。資金面では2024年6月28日時点の非関連株主保有時価総額が約2,125万ドルであり、配当は当面行わず利益は事業再投資に回す方針です。成長を支えるために内部統制の強化や公認会計士対応人員の採用など、サーベンス・オクスリー法(Section 404)対応を進めて財務報告の信頼性を高めようとしています。
同社が重点投資する分野は、マーケティング、採用・教育、IT・予約システム、医療機器や消耗品の調達など、クリニック運営の「現場」を直接支える領域です。具体的には自社の広報チームによるInstagramやYouTubeを活用した集客、SBC東京医科大学との連携による新人採用ルートの確保と研修提供、複数クリニックを束ねた調達でコスト優位を作ることなどを進めています。これらにより、サービス品質と顧客体験で差別化を図り、フランチャイズ側の収益性向上を通じて同社の管理報酬を安定化させる戦略です。
海外市場の開拓も重要な成長施策であり、同社は既にホーチミンの直営院や米国の関連院に加え、2024年11月にシンガポールのクリニック運営会社(Aesthetic Healthcare Holdings Pte. Ltd.)を約780万シンガポールドルで取得しました。同社はこれらのM&Aを通じて新興市場でのプレゼンスを高め、2025年から連結により業績寄与を見込んでいます。実務面ではフランチャイズ契約・運営支援、店舗設計、決済ツールや顧客ロイヤルティの運用などフルセットの管理サービスを提供することで、新規出店や地域展開のスピードと成功確率を高める計画です。
技術革新では、同社は医師の技能標準化と教育効率化を目的にシミュレーション技術の開発へ投資しています。人工知能(AI)や仮想現実(VR)を用いて過去症例を学習させたシミュレータを作り、手技の訓練、合併症予測、遠隔指導の実現を図ることで安全性と品質を向上させる方針です。加えて、遠隔診療や予約・決済のIT基盤、そして情報漏えい対策を含むサイバーセキュリティ強化にも注力しており、技術と運営の両面からスケールする医療チェーン構築を目指しています。