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RIO TINTO LTDRTNTF
事業内容
RIO TINTO LTDは世界的な資源会社で、主に鉄鉱石やアルミニウム、銅、ダイヤモンドなどを採掘し、加工して販売しています。大規模な鉱山と製錬設備を保有し、原料の採掘から出荷までの一貫した事業を展開しています。
同社の主要顧客は製鉄業者や金属加工業者、建設や自動車などの製造業で、宝飾業向けの需要もあります。収益は採掘した資源の販売が中心で、商品価格の変動に左右されやすく、長期契約と短期販売を組み合わせて売上を構成しています。
同社は鉄鉱石、アルミニウム、銅・ダイヤモンド・産業鉱物といった事業分野に分かれており、各分野で鉱山運営、加工・精製、物流を担っています。鉄鉱石が売上の柱である一方、アルミニウムや銅は付加価値が高く、産業鉱物は化学や製造業向けの原料として多様な市場に供給しています。
経営方針
同社は長期的な価値最大化を成長戦略の中核に据えています。具体的には、低コストで高品位の鉄鉱石や銅、アルミニウムなどの主要資源で安定した現金創出を続けつつ、株主還元を維持することを目指しています。気候変動対応では2050年のネットゼロを掲げ、途中目標として2030年に向けた運用排出量削減の取り組みを強化しており、豪州パイラバ地区の鉄鉱石は年間で約3.3億トン規模の供給基盤を有するなど、規模の経済を生かした収益向上を目指しています。
重点投資分野では「ティアワン(長期で低コストの優良資産)」への集中を明確にしており、成長資本は有望な銅鉱山や既存の鉄鉱石資産の付加価値化に振り向けられています。同社は非中核資産の売却で得た資金を成長投資と株主還元に振り分ける資本配分をとっており、アルミニウムでは電解プロセスの脱炭素化技術への投資で差別化を図っています。具体的施策としては、原材料の品位向上や供給チェーンの最適化、耐コスト構造の構築といった現場改革を進めています。
新市場開拓では電化社会の進展に伴う銅需要の増加や、将来性のある新資源領域への露出拡大を狙っています。大規模プロジェクトの例としては、ギニアのシマンドゥのような高品位鉄鉱石資源や、世界的に重要視される銅プロジェクトへの関与を通じて供給ポートフォリオを多様化しようとしています。同社はまた成長市場での提携や権益拡大を通じて、資源価格の追い風をとらえる一方で、地元関係者との合意形成や環境・社会面のリスク管理を重視する方針です。
技術革新では自律運転や遠隔操業、デジタル化を通じた生産性向上と安全性強化に力を入れています。世界初の長距離無人列車や無人ダンプトラックの導入などで現場効率を高め、センサーやデータ解析を使って選鉱歩留まりや設備稼働率を改善しています。加えて、アルミニウムの脱炭素電解技術の共同開発など、温室効果ガス削減に直結する技術にも資源を投じ、環境対応と競争力向上を同時に達成しようとしています。