REPUBLIC SERVICES, INC.RSG

時価総額
$682億
PER
廃棄物処理・リサイクル事業の大手。RISE配送プラットフォームやMPower資産管理などのデジタルサービスを展開。2023年の環境ソリューション企業買収、2024年7月の四半期配当0.580ドル増額。北米中心の展開。

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企業概況
109文字)
業績概況
テーマ
ブランド
ライバル企業
3社)
同業種の日本企業
1社)

事業内容

Republic Services, Inc.は北米でごみの収集から処理・埋立、リサイクル、産業や有害廃棄物の処理まで一貫して手がける環境サービス企業です。同社は家庭や企業向けの定期収集、リサイクル施設や埋立地の運営、専門的な廃棄物処理といった主力サービスを中心に事業を展開しています。

主要な顧客は自治体、住宅向け契約を結ぶ家庭、商業施設や製造業などの法人および産業分野で、収益は定期的な収集料金と処理・処分、環境ソリューション契約から得ています。同社は長期契約や料金改定を通じて収入の安定化を図り、得たキャッシュフローを配当や自社株買いなど株主還元に充てています。

事業構成は大きく一般廃棄物の収集・リサイクル事業と、危険物や特殊廃棄物の処理を担う環境ソリューション事業に分かれます。さらに埋立地や処分施設の運営、車両・設備の保守管理、顧客向けのデジタルサービスや現地中心の運営体制で効率化と顧客満足の向上を図っています。

経営方針

同社は2025年に「コスト上昇を上回る価格設定」と「収益性の高い量の成長」を両立させることで業績を拡大する成長戦略を掲げています。具体的には2025年の売上を168.5億ドル〜169.5億ドルと見込み、総収入の平均値上げ(イールド)は約4%、関連収入は約5%を想定しています。取扱量の影響は年次で概ね‑0.25%〜0.25%の範囲で変動すると見込んでおり、調整後希薄化一株当たり利益(Adjusted diluted EPS)は6.82〜6.90ドルを目標としています。価格設定と長期契約の確保を通じて投下資本の回収を重視する方針です。

同社は重点投資分野として車両やリサイクルセンター、移転ステーション、最終処分場などの後処理インフラ、並びに環境ソリューション事業への拡大を挙げています。差別化は「顧客志向(Customer zeal)」「デジタル」「サステナビリティ」の三つを軸にしており、顧客ごとに最適な提案を行うPriority Based Sellingと全国共通の価格化ツール(Capture)で販売力を高めています。M&Aも重要な成長手段で、US Ecologyの買収などで環境ソリューションのラインナップを強化する一方、買収リスクに対してはデューデリジェンスや売り手による補償、代金の一部留保や保険などで対応しています。

新市場開拓と事業拡大では、地場運営に基づく「ローカル意思決定+標準化された業務」で効率を上げつつ、自治体との独占的収集契約や長期処分・リサイクル契約の獲得を通じて契約ベースの売上を増やす狙いです。市場で主導的地位が取れない地域は資産売却で資源配分を見直す方針を明示しており、成長資金は安定したフリーキャッシュフローと信用格付け(S&P BBB+等)を背景に配当(四半期0.58ドル、2024年は21年連続増配)や最大30億ドルの自社株買い枠に振り向けられています。

技術革新には積極投資を行っており、配送を最適化する「RISE」や車載端末、リサイクル品の汚染検知カメラ、顧客向けのモバイルアプリとECチャネル、価格決定支援ツールなどを導入しています。輸送や整備の効率化を目的にMPowerという資産管理システムを展開中で、同システムは2025年末の完了を見込んでいます。これらは作業生産性の向上、顧客定着の強化、コスト低減に直結すると見込まれる一方で、同社も技術依存による運用リスクやサイバーセキュリティの重要性を認識しており、対策を進めながら導入を進めています。