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Royalty Pharma plcRPRX
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事業内容
Royalty Pharma plcは、製薬・バイオ企業が保有する医薬品の将来売上に対するロイヤリティ(権利収入)を買い取ることで収益を得る投資会社です。同社は、既に販売中の製品や開発後期の候補への資金提供や権利取得を通じて、売上に連動する長期的な現金収入を獲得しています。
同社の主な取引先は大手製薬会社やバイオ企業、大学や研究機関などで、これらからロイヤリティ権利を取得します。収益は個別製品のトップライン売上に直接連動するロイヤリティ収入が中心で、複数製品への分散でリスクを抑えつつ安定したキャッシュフローを目指しています。
事業は、承認済み製品のロイヤリティ買収、開発段階後期候補への共同出資や商業化支援、企業買収に伴うロイヤリティ取得など複数の手法で展開しています。ポートフォリオはがん、希少疾患、免疫、呼吸器など幅広い治療領域にまたがり、大型ブロックバスターから中小製品まで多様に分散しています。同社はこれまで外部のマネージャーによる運営を中心としてきましたが、経営の一体化(マネジャーの内部化)を進める予定です。
経営方針
同社は長期的なキャッシュフロー拡大と株主価値の向上を目指しています。具体的には、承認済み薬や臨床で一定の有効性が確認された後の開発段階候補に対するロイヤリティ取得を通じて安定的な収入源を積み上げる戦略を採っています。ポートフォリオには35を超える商用製品と14件の開発段階候補が含まれ、2024年時点で15製品が年間売上10億ドル超、うち7製品が30億ドル超という高収益品目を保有しています。加えてポートフォリオの加重平均期間は約13年と長期で、2020〜2024年に実行した取引総額は約155億ドル、同期間の市場シェアは約51%と大規模投資家としての地位を活かし成長を目指しています。
同社はリスク調整後の高い収益獲得を目指しています。投資の重点は、早期研究リスクを避けて「一定の証明(proof of concept)を得た後」の資産に置き、長期にわたるロイヤリティ収入を重視します。過去の資本投入では2012年から約93億ドルを投じ、そのうち65億ドル分が既に承認に至っており成功率は約70%である点を強みにしています。さらに、VertexのTrikaftaの独占期間が2037年まで見込まれるなど、特許期間の長い大型資産を多数保有していることが差別化要因です。こうしたポートフォリオ分散と大規模取引を通じて、同社は他社に対する競争優位を築いています。
同社は事業拡大にあたり運営体制の強化を目指しています。2025年第二四半期の完了を見込んでマネージャーを約11億ドルで取得し、外部管理体制から統合型の社内運営に移行する「マネージャーの内製化」を進めています。これによりガバナンスの強化や人材定着を図り、従業員への大きな持ち分付与を通じてインセンティブを整備する計画です。同時に、買収や共同出資による後期臨床試験や商用化支援への資金投入、そして株式買い戻しプログラム(2027年6月23日まで有効)などを柔軟に運用して事業拡大を目指しています。
同社は科学的優位性と運用の高度化で投資判断の精度を高めることを目指しています。社内の専門家チームが疾患メカニズムや治療モダリティの進展を継続的に監視し、臨床・商業面でのデューデリジェンスを行うことで、投資先の価値評価を厳格に行っています。運用面ではサイバーセキュリティ対策を最高技術責任者が主導し第三者による検証や定期的な脆弱性テストを実施しているほか、脱炭素や多様性の指標管理にも取り組んでいます。例えばマネージャーの従業員構成は女性が約48%で人種的多様性は約33%となっており、ガバナンスと持続可能性を両立させる姿勢を打ち出しています。