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ROSS STORES, INC.ROST
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事業内容
Ross Stores, Inc.は米国でオフプライス型の小売事業を展開し、有名ブランドの衣料や履物、家庭用品などを低価格で販売しています。
同社は余剰在庫やシーズン外の商品を割安に仕入れて、主に実店舗でスピード感をもって販売しています。
主要な顧客層は価格に敏感な一般消費者や家族連れで、手頃な価格でブランド品や日常品を求める人が中心です。
同社の収益は大半が店頭での商品の売上から成り、仕入れコストの低減と商品回転の速さが収益性を支えています。
事業は主力ブランドのRoss Dress for Lessとdd's DISCOUNTSの二本柱で展開し、ブランドや価格帯の違う顧客ニーズに応えています。
商品ラインは衣料、履物、アクセサリー、寝具や家庭用品、季節商品など幅広く、米国内の店舗網と流通センターで在庫を配分しています。
経営方針
同社は持続的な売上成長と株主還元の両立を目指しています。具体的には、2024年3月に取締役会が承認した最大21億ドルの自社株買いプログラム(終了予定:2026年1月31日)や、2025年3月に四半期配当を1株あたり0.4050ドルに引き上げたことなどで資本配分を強化しています。財務面では、2025年2月時点で長期債務が約22.1億ドルある一方、貸出枠として13億ドルのリボルビング信用枠を確保しており(必要に応じ最大7億ドルの増枠オプションあり)、成長投資とバランスのとれた負債管理を目指しています。
同社は低価格・ブランド品の「オフプライス」モデルを差別化の核に据え、商品仕入れ・商品配分・在庫管理への投資を優先しています。具体的には、商品計画や買付・配分の精度を高めるための管理システムを強化し、倉庫運用(パックアウェイ)を活用して店別の品揃えを最適化しています。また、従業員は約10.7万人を抱え、現場サービスと店舗運営力を維持することで「安く良い品を手早く提供する」体験を維持することを目指しています。なお、在庫の欠損引当は定期棚卸に基づく保守的な算定で、短期的な変動が収益を大きく変えない水準に管理されています。
同社は事業拡大を主に米国内で進める方針をとっており、新規出店と物流網の拡充を通じて販売基盤を広げる計画です。直近ではパックアウェイ倉庫の一部を売却して約8,260万ドルの現金化を行い(売却益約6,160万ドルを計上)、遊休資産の最適化で得た資金を成長投資や株主還元に充てる方針を示しています。設備投資も継続しており、資産購入や店舗改装のための支出が継続している点から、慎重かつ段階的な国内拡大を目指していることが窺えます。
同社は技術革新に対して、サイバーセキュリティと業務システムの両面で優先的に取り組んでいます。情報技術部門が主導して脅威の検出・対応・復旧の手順を整備し、外部ベンダーのセキュリティ評価や従業員教育を実施しているほか、商品管理や発注・配分を高度化するソフトウエアプロジェクトにも投資しています。財務情報からもソフトウエア開発段階での資本化利息が計上されていることが示されており、データとシステムを活用して在庫回転や品揃え精度を高め、競争力を維持することを目指しています。