ROKU, INCROKU

時価総額
$164.4億
PER
テレビ向けストリーミングプラットフォームの最大手。TV向けOSと低価格ストリーミング機器、広告配信を展開。2024年9月に3億ドルの信用枠を締結、2024年12月31日時点で現金等約21.6億ドル保有。製造は中国・東南アジア・ブラジル・メキシコ、米国・カナダ中心で展開。

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企業概況
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同業種の日本企業

事業内容

Roku, Incはテレビ向けのストリーミングプラットフォームを運営し、視聴者がテレビで動画コンテンツにアクセスするためのソフトウェアと端末を提供している。主力はRoku TV OSを搭載したストリーミング端末やライセンス供与するスマートテレビで、シンプルな操作画面で多様な配信サービスやアプリに接続できる点を強みとしている。

同社の主要な顧客は一般視聴者に加え、コンテンツ提供者、広告主、テレビメーカーや小売業者などである。収益は大きくプラットフォーム収入(広告や配信に関する手数料、チャネルの収益分配)とデバイス販売収入(ストリーミング端末やライセンス料)に分かれている。

事業はおおむねデバイス事業、プラットフォーム事業、広告事業の三本柱で展開している。デバイス事業では自社ブランドの端末や音響・スマートホーム製品を販売し、プラットフォーム事業ではRoku Channelやアプリ配信を通じて視聴時間を拡大し、広告事業では配信向けの広告在庫とデータを活用した広告配信でマネタイズしている。

経営方針

同社は「グローバルなテレビ向けストリーミングプラットフォーム」になることを成長戦略の中心に据えています。現在は米国・カナダ・メキシコで視聴時間ベースのリーディングポジションにあり、視聴時間(Streaming Hours)とプラットフォーム収益の拡大を主要な業績指標として追っています。財務面では2024年末時点で現金・現金同等物が約21.6億ドルあり、さらに最大3億ドルのリボルビング型融資枠を確保しているため、ユーザー獲得やコンテンツ投資、技術開発に必要な資金基盤は整えている一方で、2024年の純損失が約1.29億ドル(1株当たり約0.89ドル)と黒字化に向けた収益性改善も経営課題になっています。

同社は差別化のためにプラットフォームとデバイスの二つの柱に重点投資しています。プラットフォーム面ではコンテンツ事業者や広告主との連携を強化し、広告配信や視聴データを活用した収益化機能に投資しています。デバイス面では低コストで動作する専用の「Roku TV OS」を搭載したストリーミング端末やライセンス供与するテレビでユーザー接点を広げ、ハードの薄利を足がかりにプラットフォーム収益を拡大するビジネスモデルをとっています。また、製造は中国や東南アジア、ブラジル、メキシコの外部委託先に任せることでコスト効率を追求しています。

新市場の開拓や事業拡大では、国際展開とライセンス契約の拡大を目指していますが、国際販売やプラットフォームの海外マネタイズは同社の経験が浅く、慎重に進める計画です。スマートホーム製品やオーディオ製品のラインアップ拡充も進めており、コンテンツ配信以外の接点を増やすことで「Roku体験」の定着を図っています。加えて、戦略的投資や買収を行うことで技術やコンテンツの強化を図っており、2024年には関連する戦略投資や転換社債の保有など具体的な資本投入も行っています。

技術革新については、ユーザー体験と広告効果を高めるための研究開発を継続的に行っています。同社は製品開発にパートナーや利用者のフィードバックを取り入れるプロセスを整え、脆弱性検査や外部専門家による評価、バグ報奨制度などでセキュリティ対策にも注力しています。ストリーミング品質向上や広告配信の精度改善、低廉ハードでの快適な操作性といった技術面の投資を通じて、他の大手プラットフォームとの差別化を図ろうとしています。