RENAISSANCERE HOLDINGS LTDRNR

時価総額
$136.9億
PER
再保険・保険引受ビジネスの大手。高度なリスク選別と資本管理、REMS等の独自モデリングと固定収入重視の投資運用を展開。2023年11月に約30.2億ドルで大型買収。米国・欧州・バミューダ・アジアで展開。

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企業概況
107文字)
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同業種の日本企業
1社)

事業内容

RENAISSANCERE HOLDINGS LTDは再保険と専門保険の引受を主力に、魅力的なリスクを効率的な資本と組み合わせて長期的なリターンを追求する事業を行っています。 同社は引受業務のほか、第三者資金の運用から得る手数料収入や自己の投資ポートフォリオからの投資収益も重要な収入源としています。

同社の主要な顧客は保険会社やブローカーで、これら顧客から保険契約や再保険契約を通じてリスクを引き受けています。 収益構造は引受収入が中核で、資本運用に伴う管理報酬や成功報酬から成る手数料収入、そして比較的安定的な投資収益が補完する形です。

事業セグメントは大きく「プロパティ」と「キャジュアルティ&スペシャルティ」に分かれており、前者は天災などの損害保険を、後者は一般責任、専門賠償、信用や各種特殊リスクを引き受けています。 同社は比例引受、超過損失、代理権付与など複数の引受形態を用い、リスク選別と資本配分を通じてポートフォリオを管理しています。 投資面では比較的保守的な方針で固定利付資産を中心に組成しつつ、カタストロフ債や私募ファンド等も保有して収益の安定化と分散化を図っています。

経営方針

同社は「ベストアンダーライター(最良の引受業者)」を目指しており、長期的な財務指標としては「有形帳簿価値(tangible book value)/株式の成長」に配当の変化を加えた指標での増加を重視しています。具体的には、2024年の総保険料等書入額は約117.3億ドルと前年の88.6億ドルから拡大し、収益の多角化を図ることで安定した成長を追求しています。資本政策では自己株式買付プログラムを積極的に活用しており、取締役会は最大7億5千万ドルまでの買戻し枠を承認、2024年の買戻しは約2.71百万株、総額約6.776億ドルを実行しました。また、2023年に有効な成長投資としてValidusの買収(総対価約30.2億ドル)を完了し、規模と収益基盤の拡大を図っています。

同社の重点投資分野は大きく分けて引受(PropertyおよびCasualty & Specialty)、キャピタル・パートナーズ(第三者資本を運用するビジネス)、および投資収益を得る運用ポートフォリオです。2024年の事業配分ではPropertyが約41.1%、Casualty & Specialtyが約58.9%の保険料構成となっており、運用は主に固定利付証券を軸にカタストロフィ債やプライベートエクイティ、プライベートクレジットなどの代替資産にも配分しています。差別化戦略としては、独自のリスク管理・暴露管理システム(REMS©)やRenaissance Risk Sciencesによる気候変動を踏まえたモデルを活用し、厳格なリスク選別と資本マッチングにより顧客との長期的な関係性を築く点を掲げています。

新市場の開拓と事業拡大では、買収による規模拡大と複数の資本ソース(ジョイントベンチャー、運用ファンド、負債・株式市場等)を組み合わせることで新たな引受機会を取り込みます。Validus買収によりLloyd’s市場の権利や専門領域を取り込み、2025年1月1日の更新期でもターゲットとする契約を確保するなど、増加する需要に対して積極的に引受を行う方針です。さらに、運用資本を活かしたフィー収入(運用管理手数料・成功報酬)の拡大も重視しており、余剰資本はまず収益性の高い事業へ再投資し、必要に応じて株主還元へ振り向けるとしています。

技術革新への取り組みでは、同社はデータ分析・モデリング技術と情報セキュリティへの継続投資を重ねています。REMS©や専有のリスク解析チームにより気候変動を反映したシナリオ分析を強化し、引受判断に反映させています。IT面ではクラウドと海外の安全なデータセンターを併用し、規制(BMA、NYDFS、欧州等)に準拠したサイバーセキュリティ体制を整備している点を強調しています。人工知能などの新技術に対しては規制動向も注視しつつ、モデリング精度や運用効率の向上に段階的に取り入れていく方針です。