RERMAX

時価総額
$1.6億
PER
不動産フランチャイズの世界最大手、創業約50年。フランチャイズ本部、住宅ローン仲介・ローン処理サービス、エージェント支援ツールを展開。2023年にモーゲージ事業ののれんを1,860万米ドルで減損。110カ国以上で展開(2024年時点)。

事業内容

RE/MAX Holdings, Inc.は世界的な不動産フランチャイザーで、RE/MAXブランドの不動産仲介店のフランチャイズ展開を主力にしています。同社は米国でMottoブランドによる住宅ローン仲介のフランチャイズ事業や、wemloブランドを通じたローン処理サービスも運営しています。

主要な顧客はフランチャイズオーナーやその下で働く不動産エージェントで、最終的には住宅の買主・売主という消費者にもサービスが届きます。同社の収益は加盟店からの手数料やフランチャイズ販売収入、マーケティング基金への拠出、そしてローン処理などのサービス料が中心で、加盟店数や取引数の増減が業績に直結します。

事業は大きく不動産フランチャイズ、住宅ローン関連(フランチャイズ販売とローン処理)、およびブランド管理や技術・マーケティング支援の三つに分かれます。同社は加盟店の採用・教育、ブランド保護、顧客管理や取引支援のための技術投資を通じてネットワークの拡大と取引増加を目指しています。

経営方針

同社は中長期でネットワークと収益基盤の拡大を目指しています。具体的にはRE/MAXブランドのエージェント数を増やし、成約件数(closed transaction sides)と1人当たりの成約数を高めることで有機的な収益成長を図るほか、米国でのMotto Mortgage(モットー・モーゲージ)の出店数拡大によってモーゲージ関連収入を増やす戦略を掲げています。直近の業績では2024年の調整後EBITDAが約9,770万ドル、当期純利益が約807.7万ドルであり、これらを基盤に成長投資を進めています。

同社は重点投資を「ブランド強化」「フランチャイズ支援」「モーゲージ事業の拡大」に振り向け差別化を図っています。具体的施策としては、フランチャイズ加盟店とエージェント向けの教育・リクルート支援の強化、マーケティング基金の運用による地域別プロモーション支援、Mottoやwemloを通じたローン処理サービスの拡充などを挙げています。また資本配分面では、2022年に設定した最大1億ドルの自社株買い枠のうち約6,250万ドルが2024年末時点で未使用であり、成長投資と株主還元の両面を検討しています。

新市場開拓ではグローバルなフランチャイズ網(110以上の国と地域)を活用して既存市場での浸透率向上と、新興市場でのフランチャイズ販売を推進します。モーゲージ事業はまだ若い段階のため、フランチャイズの獲得とローンオフィスの開設を通じて規模を追求する方針です。加えて過去に行ってきた買収により事業領域を広げており、今後も買収や地域別の提携を通じて事業拡大を図る計画を掲げています。

技術革新については顧客体験と業務効率の向上を最優先に投資を行っています。社内プラットフォームから外部のトレイル系プラットフォームへの移行を段階的に進めるなど、エージェント向けのデジタルツール整備に注力しており、これに伴う再編費用として過去数年で数百万ドル規模の費用が発生しています(例:2022年の関連リストラ費用は約1,170万ドル、2024年のサポート再編では約130万ドル)。同時にサイバーセキュリティと個人情報保護の強化、AIなど新技術の活用に伴うリスク管理にも取り組み、サービス品質と信頼性での差別化を図っています。