Rocket Companies, Inc.RKT

時価総額
$340.3億
PER
住宅ローン仲介・サービシングの米国最大手。デジタル住宅ローンとMSRを中核としたワンストッププラットフォームを展開。2025年初にブランド再編でRocket.comを取得。米国中心に展開、リファイナンス市場シェア12.1%。

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企業概況
104文字)
業績概況
テーマ
4項目)
ブランド
1項目)
ライバル企業
3社)
同業種の日本企業
3社)

事業内容

Rocket Companies, Inc.は住宅ローンの仲介・組成とローンの管理を中心に、住宅購入に関わる一連のサービスをワンストップで展開する持株会社です。同社は主にオンラインを軸にした住宅ローンの申請・審査・実行を行う「Rocket Mortgage」を核とし、決済・登記対応や不動産仲介、個人向けローンや家計管理サービスまで幅広く手掛けています。

同社の主要顧客は住宅を購入・借り換えする個人と不動産業者や提携パートナーで、収益は大きく二つに分かれます。一つはローンを組成して投資家や政府系機関に売却することで得る「売却益(起源収入)」、もう一つはローンを管理することで継続的に入る契約手数料や遅延金などの「サービシング収入」で、これらに加え決済手数料やサブスクリプション収入もあります。

同社は事業をいくつかのセグメントで運営しています。住宅ローンの直接販売と提携チャネルを持つ起源部門、ローン管理と管理権(MSR)によるサービシング、クロージングや登記を扱うRocket Close、不動産仲介のRocket Homes、個人向けローンのRocket Loans、家計・資産管理のRocket Moneyといった補完的サービスです。技術とデータを軸にブランド投資やマーケティングを重ね、顧客獲得と利用継続を高めることで収益拡大を図っています。

経営方針

同社は持続的な成長と収益性の回復を目指しています。直近では2024年に住宅ローンの組成額が1,011.5億ドル(前年比約29%増)に達し、純利益635.8百万ドル、調整後EBITDAは862.4百万ドルと業績が回復しました。今後も購入・リファイナンス双方での市場シェア拡大(2024年の購入シェア4.0%、リファイナンスシェア12.1%)と、ゲイン・オン・セールマージンの維持・改善(2024年は約2.95%)を通じて、売上とキャッシュフローの拡大を図ることを目標としています。

同社はブランド、顧客体験、サービス資産に重点投資することで差別化を図っています。具体的には2025年初頭の「Rocket」ブランド再編(Rocket.comの取得やロゴ・ビジュアルの刷新)により全国認知度を高め、データ駆動のマーケティングで顧客獲得効率を上げています。また、サービス資産(総サービス対象残高は約5,932億ドル、MSR対象残高は約5,255億ドル)から生じる継続的なサービス収入を強化し、ローン売却による資本効率の高いビジネスモデルと合わせて競合との差を広げています。Rocket Close、Rocket Money、Rocket Homesなどの隣接事業を組み合わせ、顧客のライフタイムバリューを高める施策を展開しています。

同社は既存の住宅ローン事業にとどまらず隣接市場の開拓とプラットフォーム拡大を進めています。パートナーネットワーク経由の起業量は約463.9億ドルに達しており、パートナー経由と直販を併用して流通チャネルを拡大しています。さらにRocket Moneyの有料会員は増加傾向にあり(2024年末で約4,116名)、不動産仲介やクロージング支援といったサービスを横展開することでエンドツーエンドの住宅関連エコシステム化を目指しています。MSRやサブサービシングの獲得に必要な資金は、MSRファシリティやリポ契約などを通じて確保しながら成長を支える計画です。

同社は技術革新、特にAIとデータ活用への投資を成長の中核に据えています。社内ではリード創出から与信、クロージング、ローン保守までAIでの自動化・最適化を進めることを掲げ、具体的にはデータ解析によるマーケティング最適化、審査プロセスの自動化、金利ロックやヘッジの管理効率化などに資本と人材を投入しています。これらの技術投資により顧客体験を一貫化しコストを削減することで、長期的な競争優位と収益性の向上を実現しようとしています。