Rocket Lab CorpRKLB

時価総額
$338.7億
PER
打ち上げサービスと宇宙機設計・製造の大手。54回の軌道ミッション実績と200機超の宇宙機運用を支える小型ロケットとコンポーネントを展開。2022年に衛星部品メーカーを買収、2023年に競合資産を取得。米国中心にニュージーランド、カナダ、日本などで展開。

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企業概況
104文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
1項目)
ライバル企業
3社)
同業種の日本企業
2社)

事業内容

Rocket Lab Corpは宇宙へのアクセスを迅速かつ低コストで実現するエンドツーエンドの事業を展開しています。同社は小型衛星を軌道に運ぶ打ち上げサービスを主力とし、衛星本体の設計・製造や衛星用コンポーネント、打ち上げ後の運用支援まで一貫して手がけています。

主要顧客は米国の国防省やNASAといった政府機関に加え、国内外の商業衛星運用会社や宇宙機メーカーが中心で、政府案件と商業案件が収益の柱になっています。同社は打ち上げ料金に加え、衛星や部品の販売、ミッション設計・運用契約、顧客向けの資金調達支援など多様な収入源を持ち、一部の大口顧客が売上に大きな影響を与えます。

事業は大きく打ち上げサービスとスペースシステムの二本柱で構成されています。同社は小型ロケット(Electron)による定期打ち上げのほか、衛星プラットフォーム(Photon)や太陽電池などのコンポーネント製造、地上管制や運用サービスまで含めた総合的な製品ラインを提供しています。

経営方針

同社は定期的な軌道投入の回数を増やして収益規模を拡大し、最終的には採算改善を目指しています。実績としては2022年の売上211.0百万ドルから2023年244.6百万ドル、2024年には436.2百万ドルへと急増しており、従業員数も約1,400名(2022年12月)から2,100名超(2024年12月)へ拡大しています。同時に営業損失は継続しており、2024年の純損失は約190.2百万ドルと大きいため、同社は「受注ペースの安定化」「規模の経済によるコスト低減」を通じて収益をスケールさせ、長期的に利益化することを目指しています。

同社は打ち上げサービス、衛星設計・製造、そして太陽電池を含む宇宙向け機器の製造に重点投資しています。垂直統合によってロケット本体の製造からペイロードの取り付け、衛星部品の供給まで一貫して提供できる点を差別化要因としています。実績面では2024年末時点での軌道ミッション成功数が54件、投入した衛星は200機超と高い実運用経験があり、この「短納期での打ち上げと一貫対応」を武器に政府系顧客や商業顧客へ販路を広げています。また、特に太陽電池分野では約160,000平方フィートの生産・研究施設を有し、2022年のSolAero買収(買収対価約76.2百万ドル)などで製品ラインを強化しています。

新市場開拓と事業拡大では、買収と施設投資を組み合わせて事業領域を横に広げています。2022年のSolAero買収や2023年のVirgin Orbit関連資産取得(ロングビーチの施設等)で製造・打ち上げインフラを補完し、地理的にも売上比率を拡大している点が特徴です。2024年の地域別売上は米国が約61%、カナダが約24%、日本が約7%であり、同社は北米中心の収益基盤を維持しつつ商業や政府の新たな需要領域、オンオービットの運用・データサービスなどで収入源を多様化する計画を進めています。ただし、新規施設や発展市場向け投資は大きな資本支出を伴うため、資金調達と実行の管理が重要な経営課題になっています。

技術革新への取り組みは経営戦略の中核で、同社は自前のエンジニアリング体制を世界各地に展開して研究・設計・製造を一貫して行っています。特に複合材や積層造形(部品を層ごとに作る製法)、推進系の試験、電力(太陽電池)製造といった分野に注力し、特許・商標などで知財を守っています(米国内で200件超、海外で90件超の特許保有)。また、打ち上げの反復実行やブースターの再利用、部品の共通化といった技術は単に性能向上だけでなくコスト削減と納期短縮にも直結するため、研究投資と工場設備の強化を通じて市場競争力の向上を図っています。