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RAYMOND JAMES FINANCIAL INCRJF
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事業内容
RAYMOND JAMES FINANCIAL INCは、個人投資家や機関向けに幅広い金融サービスを提供する総合金融グループです。同社は多数の金融アドバイザーを通じて資産管理や投資助言を行う一方で、証券の引受や市場での売買(マーケットメイキング)、投資銀行業務、銀行サービスなどの取引業務も展開しています。また、アドバイザー向けのITプラットフォームや事務処理の仕組みで顧客接点を支えています。
主要な顧客は富裕層や個人投資家、アドバイザーを通じて来るリテール顧客のほか、企業や機関投資家です。収益は投資助言や運用の手数料、売買・取引に伴う手数料やトレーディング収益、引受や資金調達に伴う投資銀行手数料、預貸や利ザヤから成り立っています。同社はアドバイザーの採用・定着を重視し、顧客資産と取引量の増加が業績に直結するビジネスモデルです。
事業は大まかに、個人向け顧客を担当する部門、社債や株式の引受・機関向け売買を行う資本市場部門、そして資産運用と銀行業務を行う部門に分かれています。各部門は顧客への助言や取引執行、運用商品を組み合わせて収益を創出し、同社は人材育成やテクノロジー投資、リスク管理を通じて長期的な顧客維持と拡大を図っています。
経営方針
同社は安定した長期成長を志向しており、自己資本や流動性を厚く保ちながら収益拡大を図っています。2024年9月30日時点でのTier1レバレッジ比率は12.8%、自己資本比率は24.1%と規制水準を上回る資本を確保しており、親会社の現金は約21.6億ドルあります。2024会計年度は純収益が128.2億ドル、当期税前利益が26.4億ドルと前年から増収増益となり、普通株への純利益は20.6億ドル、希薄化後1株当たり利益は9.70ドルと伸長しました。株主還元では取締役会が承認した15億ドルの自社株買い枠の下で7.7百万株、約9億ドルを買い戻し、配当と合わせて年間で約13億ドルを株主に還元しており、希薄化相殺や機会的な買戻しを継続する方針です。
同社は資産運用や個人向け資産管理、資本市場業務、銀行業務に重点投資しています。特に資産運用にかかる手数料収入や個人顧客の手数料型口座(PCGの手数料型資産)は市場の追い風もあり、四半期で7%増加するなど収益基盤の拡大が見られます。また、金融アドバイザーの採用・定着に注力し、教育や会議、業務支援のための独自プラットフォーム整備と報酬制度を通じて顧客サービスの差別化を図っています。加えて、信用・流動性管理やリスク管理の三線防御体制を強化することで、引受業務や市場仲介業務での資本リスクに備える姿勢を打ち出しています。
事業拡大は採用と買収の二本柱で進められています。同社はTriState CapitalやSumRidge Partnersなどの買収を通じて銀行業務や債券のマーケットメイク能力を強化してきました。買収は新たな収益源や技術獲得につながる一方で、統合コストや規制承認などのリスクも伴うため、同社は文化的適合や主要人材の保持を重視しています。貸出は2024年度において新規起債がやや停滞しましたが、バランスシートと資金確保に余裕があるため、起債が回復する局面では貸出増加を通じた収益拡大を目指す計画です。投資銀行のパイプラインも健全で、市場環境が整えば取引成立により収入が押し上げられる見込みです。
同社は技術革新を成長の重要な支柱と位置付け、顧客接点と業務効率の両面で投資しています。金融アドバイザー向けの統合システムや、機関・小口の売買・決済を支えるトレーディング基盤、顧客資産の保管・管理システムを整備し、加えてサイバーセキュリティ対策や複数拠点での事業継続計画に重点を置いています。SumRidge買収により得た債券取引の技術やリスク管理ツールも取り込んでおり、短期的にはこれらの投資が費用を押し上げる可能性があるものの、中長期では顧客体験の向上と運用効率の改善を通じた収益拡大を同社は目指しています。