Rivian Automotive, Inc.RIVN

時価総額
$168.1億
PER
電気自動車メーカーの有力企業。R1T/R1SなどのピックアップとSUV、ソフトウェアや充電サービスを展開。Amazonが主要出資、2024年11月にVWと合弁設立。2021年11月のIPOで135億ドルを調達。米国中心に展開。

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企業概況
112文字)
業績概況
テーマ
2項目)
ブランド
3項目)
ライバル企業
2社)
同業種の日本企業
4社)

事業内容

Rivian Automotive, Inc.は電気自動車の開発・製造と、車両の購入から保有・廃棄までを支えるソフトや関連サービスを一体で提供する会社です。主力製品はアウトドア寄りの電動ピックアップR1TやSUVのR1Sで、今後は中型プラットフォームを使ったR2やR3、企業向けの配送車などライン拡大を進めています。

同社の主要顧客は個人のレジャー志向ユーザーと企業のフリート運用者で、収益は新車販売が中心です。ただし充電サービス、点検・修理、保険やファイナンス、ソフトの定期課金といったサービス収入が伸びており、Amazonとの商業取引や他社との技術提携が販売やサービス拡大の後押しになっています。

同社は事業を「自動車」と「ソフトウェアおよびサービス」の二つのセグメントで分けています。自動車セグメントはR1シリーズや将来の中型モデル、商用配送車を含み、ソフト・サービス側は車載ソフトと無線での機能更新、充電ネットワーク、整備や中古車再販、金融関連サービスなどを扱っています。

経営方針

同社は成長の主軸を「車両の量産拡大」と「ソフトウェア/サービスの収益化」に据えています。具体的には、カリフォルニアのNormal工場の生産能力を年間215,000台まで拡大する計画を掲げ、ミッドサイズ車プラットフォーム(MSP)に基づくR2の量産開始を2026年上半期に予定しています。この対応のために製造ラインの統合や改修を行っており、2024年第2四半期に実施した再整備や、2025年下半期に予定している約1か月の工場停止は短期的な生産減を伴うものの、中長期的な資本効率の改善を目指しています。投資拡大は営業費用や設備投資の増加を伴うため、外部からの借入や資本調達が必要になる可能性がある点も明示しています。

同社の差別化は、車両本体のハードウェアとソフトウェアを自社で深く統合する垂直統合戦略にあります。車両の電子設計やソフトウェアを内製化することで、OTA(無線)アップデートや運転支援機能の継続的改善を実現し、製品体験で独自性を出しています。また充電インフラ面では、2024年内にリヴィアンの充電ネットワーク「Rivian Adventure Network」を他社車両にも開放し、固定費を回収可能な利益センター化を狙うとともに、2024年初頭には米加で20,000台超のテスラ・スーパーチャージャーへのアクセスも確保しました。これらは販売後の付帯収益(サブスクリプションや充電、保険など)を増やすことで一台あたりの収益性を高める施策です。

海外展開と事業拡大にも意欲的で、商用車やフリート市場への電動化提案を強めると同時に国際市場への進出を計画しています。戦略的には、2024年11月に発表したフォルクスワーゲンとの合弁に代表されるように、自社のソフトウエアと電気系アーキテクチャを外部にも展開して市場適用範囲を広げる方針です。商用顧客との大口取引や合弁による収益拡大を見込む一方で、サプライチェーンの安定化や各国の規制対応など実行面のリスク管理も重視しており、これらを踏まえた資金調達計画を想定しています。

技術革新への取り組みは製品戦略の根幹です。同社は車載ソフトウェアや自動運転プラットフォームを中心に投資を続けており、2024年第4四半期にサブスクリプション型のConnect+を開始し、将来的にはより高度な「Rivian Autonomy Platform+」を展開する予定です。ハード面ではR1からMSPへと設計を簡素化して製造コストを下げる取り組みを進めつつ、ソフト面での繰り返し改善により長期的な顧客ロイヤルティと高マージンのリカーリング収入を確立することを目指しています。投資家にとっては、これら技術とサービスの融合が収益化の鍵である一方、製造停止や部品調達の変動など短期的な実行リスクがある点も留意すべきです。