B. Riley Financial, Inc.RILY

時価総額
$1.3億
PER
総合金融サービスの大手。投資銀行、資産運用、再建・清算サービスを展開。運用資産は$25.4B(23年12月31日時点)。23年8月21日にFreedom VCMへ約31%出資、23年10月6日にbebeを76.2%保有化。米国中心に展開。

事業内容

B. Riley Financial, Inc. は多角的な金融持株会社で、投資銀行業務や資産運用・富裕層向けの資産管理、企業再生や破産に関する財務コンサルティング、在庫や資産のオークション・清算など幅広いサービスを展開しています。同社はさらに自社投資や通信・消費財の事業も手がけ、金融以外の収益も持っています。

同社の主要顧客は上場・非上場の企業、金融機関、貸し手、投資家、それに個人の富裕層や退職者などで、顧客に応じて助言手数料、資産運用手数料、取引手数料や投資の売買益などで収益を得ています。ウェルスマネジメントの運用資産は2023年末で約254億ドルに達しており、資産残高に基づく継続的な手数料収入が重要な収入源になっています。

事業は大きく分けてウェルスマネジメント、ファイナンシャルコンサルティング、オークション・清算、投資銀行・資本市場、通信および消費財の各セグメントで構成されています。コンサルティング部門では破産再編、鑑定評価、訴訟支援や不正調査を行い、オークション部門は小売在庫や余剰資産の処分を支援します。通信・消費財部門ではmagicJackやLingo、Targusなどのブランドやサービスを運営し、同社の多様なビジネスモデルを補完しています。

経営方針

同社は分散型の事業ポートフォリオを活用して規模と収益基盤の拡大を図ることを成長戦略の中核に据えています。資産運用や仲介、コンサルティング、通信、消費財といった複数のセグメントを通じて収益を多角化しており、ウェルスマネジメントの運用資産(AUM)は2023年12月31日時点で約$25.4 billionに達しています。資本配分面では株主還元も重視しており、株式買戻し枠を2023年11月に最大$50.0 millionまで再承認しており、資金調達や負債削減、事業投資のための機動的な資金運用を目指しています。

同社は成長投資の重点分野として、金融サービスの中でも特に証券仲介とアドバイザリー、通信事業、そして消費者向け製品を挙げています。差別化の手段としては、約1,600件/年の評価・鑑定実績を持つアプレイザル部門や、北米中心に展開する大規模な在庫処分・清算ネットワーク、さらにグループ内でのクロスセル(例えば評価サービスの顧客に対して仲介や資金調達サービスを提供するなど)を通じて顧客のワンストップニーズに応える点を重視しています。消費財ではTargusを通じて100か国以上での流通網を保有しており、これが製品面での競争力につながっています。

新市場開拓と事業拡大はM&Aや資本取引を主要手段としています。直近では2023年8月にFreedom VCMへ約$281.1 millionを投じて31%の持分を取得し、また2022年10月にはTargusを買収して消費財分野を強化しています。グループ再編としてはLingoの持分を増やして統合を進めるなど通信領域の統合・拡大を進めており、2024年2月にはAppraisal and Valuation Services等(旧Great American Group)についてモイレイズ社をアドバイザーに選定し、売却や別の組織再編を含む戦略的選択肢を検討中です。これらの資金は負債削減や追加の自社株買い、特にB. Riley Securitiesなどの中核事業への再投資に充てる計画が想定されています。

同社は技術面の強化と内部管理の改善にも注力しています。2023年に一部子会社で情報技術上の統制に弱点が見つかったため、アクセス管理や変更管理、運用プロセスの見直し、関連方針の改訂を進めており、外部サービス事業者からの適合性報告(SOC 1 Type 2)を2024年に取得すること、プロセス所有者への教育を実施すること、税務・評価分野での審査精度を高めるための人員増強など、具体的な是正措置を講じています。これらによりデータ基盤と自動化された業務プロセスの信頼性を高め、通信・クラウド系サービスや評価モデルなどの技術投資を事業成長に直結させる方針です。