- 米国企業
- RCI HOSPITALITY HOLDINGS, INC.
RCI HOSPITALITY HOLDINGS, INC.RICK
ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン
- 企業概況
- (108文字)
- 業績概況
- テーマ
- ブランド
- (4項目)
- ライバル企業
- (2社)
- 同業種の日本企業
- (2社)
事業内容
RCI Hospitality Holdings, Inc.は、成人向けのナイトクラブ事業を中心に、軍をモチーフにしたレストラン&スポーツバー「Bombshells」、業界向けメディア、そしてエナジードリンクの国内販売ライセンスなどを展開しています。同社は主にナイトクラブやレストランの運営を通じて、酒類や飲食、各種サービス収入を得るビジネスを行っています。
主要な顧客はナイトライフを楽しむ一般消費者やスポーツ観戦客で、売上は酒類の販売、フードや物販、入場料やルームレンタル、ATM手数料など複数の収益源から成り立っています。2024会計年度のナイトクラブ売上構成はサービス収入約40%、酒類約43%、食品・物販等約16%で、同セグメントの粗利率は約88%でした。
事業は大きく「Nightclubs」「Bombshells」「Other」の3セグメントに分かれており、NightclubsはRick’s CabaretやTootsie’sなど複数のブランドで多数の店舗と関連不動産を保有・運営しています。Bombshellsは軍風の内装と「Bombshell Girls」を特徴とするレストラン兼スポーツバーで、売上は酒類比率が高めです。Otherセグメントには業界誌や見本市を運営するメディア部門と、Robustエナジードリンクの販売を行う事業が含まれます。
経営方針
同社は「有機的成長と戦略的買収」の併用で規模拡大を目指しています。具体的には、財務面で積極的なM&Aを行っており、2022会計年度に15店舗を合計約1億3260万ドルで取得、2023会計年度にも6店舗を合計約7230万ドルで取得しました。直近では2024会計年度に新店舗(Bombshells Stafford)を開設する一方、同時に業績不振店舗の閉鎖や売却も行っており(例:2024年11月にBombshellsの2店舗を閉鎖、Austin店舗を13万ドルで売却)、資本政策としては自社株買いにも取り組んでいます。自社株買いは2024年度に約2,060万ドル(約442,639株)を実施し、取締役会承認分のうち約2,100万ドルが余力として残っていますが、成長のためには追加の借入や株式発行が必要になる可能性もあると同社は説明しています。
同社は「既存事業の収益性強化」と「ブランド差別化」に重点投資しています。ナイトクラブ事業は売上構成がサービス40.3%、酒類43.3%、飲食等16.4%で、セグメント粗利率は約88.3%と高い収益性を示しており、これを基盤に同社は利益率の高い運営ノウハウを磨くことを目指しています。レストラン型ブランドのBombshellsは軍モチーフの内装やショー要素で差別化を図り、酒類比率が高い(売上の54.3%が酒類)ことからメニューや接客による収益拡大に投資しています。また、不動産保有(所有物件87件中57件で自社営業)やメディア事業・エナジードリンク販売などの関連事業を持つことで、立地や集客、クロスセルの面で競合と差別化する戦略をとっています。
同社は新市場開拓と事業ポートフォリオの拡充を並行して進めています。成人ナイトクラブの買収だけでなく、SOB(特別許可)不要のレストランやスポーツバー、フランチャイズ展開、場合によってはゲーミング分野への参入も検討しており、既にサンアントニオでのフランチャイズ出店や食のフードホール取得(例:Grange Food Hallを約530万ドルで取得)など多角化を進めています。買収資金は現金・借入・株式の組合せで賄われることが多く(例:Baby Dolls等のグループ買収は現金2,500万ドル、債務2,550万ドル、株式200,000株で実行)、同社は成長機会を選別すると同時に資本コストや資金調達の制約を慎重に見極めて事業拡大を図る方針です。
同社は「技術・管理体制の強化」を重要課題と位置づけ、具体的な改善策を進めています。2024年9月時点で情報技術に関する内部統制(アクセス管理、プログラム変更管理、ベンダー管理)や買収会計・のれん等の減損評価に関する管理レビューに重大な弱点が認められたため、外部コンサルの活用を含めた是正計画を実行中です。施策にはユーザーアクセスの審査強化、明確な変更管理手順の制定、会計システムの監査ログ報告強化、第三者アプリに係る統制の継続的改善、監査委員会への四半期報告の強化などが含まれます。またサイバーセキュリティ面では従業員教育、定期的なテスト、インシデント対応計画とプレイブックの整備を行い、被害抑止と迅速な復旧を目指しています。経営陣はこれらの統制が十分に運用されることで問題が解消されるとしていますが、一定期間の有効性確認が完了するまでは「未だ効果が完全には回復していない」と開示しています。