ROBERT HALF INC.RHI

時価総額
$28.3億
PER
人材派遣・人材紹介と経営コンサルティングの最大手。AIを活用したデジタル採用プラットフォームと内部監査・リスクコンサルを展開。2024年のサービス収益は58億ドル、株主還元で自社株買いを継続。米国と17カ国で展開。

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企業概況
107文字)
業績概況
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ブランド
2項目)
ライバル企業
2社)
同業種の日本企業
4社)

事業内容

ROBERT HALF INC.は人材サービスとビジネスコンサルティングを主力に事業を展開する企業です。同社は会計・財務、IT、法務、クリエイティブなどの専門分野で派遣や紹介、常勤採用の仲介を行い、内部監査やリスク、業務・テクノロジー領域のコンサルティングも提供しています。求人企業と求職者を結びつけるデジタル機能と専門リクルーターを組み合わせたモデルが特徴です。

主要顧客は中堅・大手企業から公的機関まで幅広く、単一顧客に依存していません。同社の収益は時間単位で請求する派遣売上、採用成功時の紹介手数料、そしてコンサルティング契約による報酬で成り立ちます。人材事業は暦年の第1および第4四半期に活発になり、コンサル部門は第3・第4四半期に需要が高まる傾向があります。

事業は契約型人材、常勤紹介、人材コンサル(Protiviti)の三つの報告セグメントに分かれます。同社の契約型は短期・中期の人材派遣、常勤紹介は正社員採用の仲介を行い、Protivitiは内部監査やリスク管理、業務改善やIT関連のコンサルティングを担います。米国を中心に複数の国で拠点を持ち、地域ごとに専門チームを配置して顧客ニーズに応えています。

経営方針

同社は持続的な成長と株主還元の両立を目指しています。2024年のサービス収益は58億ドル(前年から9.3%減)で、当期純利益は2.52億ドル、希薄化後1株当たり利益は2.44ドルと減速しましたが、配当と自社株買いでの還元を継続しています。取締役会は2024年12月31日時点で追加で最大730万株の買戻しを承認しており、これまでに発行枠138百万株のうち約130.72百万株を買い戻しています。配当は2024年に1株当たり2.12ドルで、2025年2月には四半期配当0.59ドルを発表しており、同社はキャッシュフローによる株主還元を重視しています。

同社は人材サービスとコンサルティングの「人」と「技術」の融合に重点投資して差別化を図っています。具体的には、専門領域に特化したリクルーターと連動する世界水準のデジタル体験を整備し、同社保有のデータを活用したAIツールで候補者の発見・評価・選定や見込み顧客のターゲティング精度を高めています。人材育成面では新入社員やリーダー向けの学習プログラムや、Protivitiでは資格取得支援などに投資しており、これらが顧客に対する専門性と継続的なサービス品質の源泉となっています。人員投資は売上見通しや生産性に応じて四半期ごとに調整しており、2024年はタレントソリューション部門で人員を削減した一方、必要なところには選択的に投資を行っています。

同社は海外展開とコンサル事業の拡大を 통해成長機会を追求しています。タレントソリューションは米国と17か国、Protivitiは米国と13か国で事業を展開しており、2024年の約22%の収益は米国外で発生しています。市場開拓の具体策としては、地域ごとの経済指標をモニターして需要見通しに応じた人員と投資配分を決めること、業界パートナーや専門団体との提携を通じた案件獲得、そしてProtivitiの知見を生かした業界別・能力別のターゲットマーケティングを行っています。財務的には100百万ドルのリボルビング・クレジットを2026年5月まで延長しており(2024年末時点で借入はなし)、買収や投資、運転資金の柔軟性を確保しています。

同社は技術革新、特に人工知能(AI)の実務適用を積極的に進めています。具体的な取り組みとしては、クライアントと候補者のデジタル接点を強化するプラットフォーム整備、内製のデータ資産を基にしたレコメンドやスクリーニングのAI化、営業や候補者発掘を支援する自動化ツールの導入などがあります。また、内部使用ソフトウェアの開発費を資本化してインフラを強化し、ソフトウェアやデータ保護に関連する年間の購入義務は約2.55億ドル(ソフトウエアやサービスを含む)といった支出を計画・管理しています。併せてGDPRなどのデータ規制対応にも注力しており、技術投資とコンプライアンスの両面で事業の持続性と差別化を図ろうとしています。