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ROYAL GOLD INCRGLD
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事業内容
Royal Gold Inc.は鉱山の生産に対して継続的な収入を得るロイヤルティやストリームの権利を取得・保有する投資会社です。同社は鉱山を自ら操業せず、権利からの現金収入や配当で収益を上げています。主に金や銀などの貴金属に重点を置いています。
同社の主要な取引先は鉱山を運営する大手鉱山会社や開発業者で、これらのオペレーターの生産量や金属価格に応じて同社へ支払いが入る仕組みです。収益は少数の主要プロジェクトに集中しており、Andacollo、Cortez、Mount Milligan、Pueblo Viejoなどが重要な収入源です。金属価格の変動が収益に大きく影響する点が投資リスクになります。
同社の事業は大きくロイヤルティとストリームの二本柱で構成されています。ロイヤルティは生産や売上の一部を受け取る権利、ストリームは将来の生産物を割安で取得して売却する仕組みで、世界各地の開発段階から生産段階の鉱山に対してこれらの権利を取得して収益を確保しています。これにより同社は資本を投入して権利ポートフォリオを拡大し、長期的な現金収入を追求するビジネスモデルを展開しています。
経営方針
同社は安定的なキャッシュ創出と配当成長を両立させることを成長戦略の中心に据えています。具体的にはストリーム(前払いで生産金属を将来購入する権利)とロイヤリティ(生産に応じた収益受取権)を取得・運用することで、金など貴金属の価格上昇時にレバレッジの効いた収益を確保するモデルを追求しています。2024年末時点でストリームとロイヤリティの帳簿残高は約30億ドルに達しており、ストリーム収益は2024年の総収入の約67%を占めました。株主還元では2025年の年間配当を1株当たり1.80ドルへ13%引き上げると発表しており、24年連続で増配してきた実績を維持しています。
重点投資分野として、同社は生産中・開発中・評価段階の鉱山権益をバランスよく保有することによりリスク分散を図っています。2024年時点でストリームは9件、製錬・生産段階のロイヤリティは35件、開発段階16件、探鉱段階115件(うち評価段階を50件と分類)を保有しており、Andacollo、Cortez、Mount Milligan、Pueblo Viejoの4件を主たる資産と位置付けています。差別化の柱は、提携先オペレーターの資質や予測生産量を精査した上で事前に手当てした資金提供と取引構造の設計にあり、2024年にはカクタス権利取得に55百万ドル、バックリバー向けロイヤリティ取得に51百万ドルを現金で投じるなど、機動的な資本配分を実行しています。
新市場開拓や事業拡大では、地理的分散とステージ分散を重視しており、米国・カナダ・チリ・ドミニカ共和国・メキシコ・オーストラリア・アフリカなど複数地域で権益を展開しています。既存の買収・ファイナンス手法を通じて、稼働中や開発中のプロジェクトに対して前払いでストリームを設定するかロイヤリティを取得することで、既に生まれている価値を取り込む方針です。同社は買収資金を原則として手元資金や施設型クレジットで賄う方針を示しており、将来の取引機会に備えた資金流動性の確保と、発行株式による希薄化を必要最小限に抑える方策をとっています。
技術革新と運用リスク管理の面では、情報技術とサイバーセキュリティを重要投資領域と見なしています。同社は最高財務責任者がサイバー対策の実務責任を負い、監督は監査・財務委員会が担う体制で四半期・年次報告を行い、外部の専門コンサルを活用して従業員教育やシステム監査を実施しています。また、AIやディープフェイクを含む高度化するサイバー脅威への対応も明示しており、第三者サービスプロバイダーとの連携管理や内部統制の維持(外部監査人は2024年12月31日時点で内部統制は実効的と判断)を通じて、権益評価やインパイアメント判定に必要なデータ品質を高める取り組みを進めています。