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REGENERON PHARMACEUTICALS, INC.REGN
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事業内容
REGENERON PHARMACEUTICALS, INC.は、重篤な疾患向けの医薬品を創出し、研究開発から製造、販売までを一貫して行う米国のバイオ医薬企業です。主力は抗体を基盤とした治療薬で、眼科領域などで承認・販売されている製品(例:EYLEA)を中心に、新規薬の臨床開発を進めています。
同社は自社の商業部門を通じて主に卸売業者や専門流通業者に製品を販売し、それらが薬局、病院、医療機関へ供給する流れが収益の柱です。製品販売が収益の中心で、2024年はBesse Medical(Cencora傘下)とMcKessonへの販売が大きく、両社合計で総売上の約74%を占めました。
事業は「創薬・開発・商業化」の一つのセグメントで管理しており、研究、臨床、製造、販売の各機能を緊密に連携させています。自社製造拠点は米国(レンセラー)とアイルランド(リメリック)にあり、外部の協力先とともに包装、検査、流通などの工程も担っています。近年はチェックメイトやデシベルの買収や2seventy bioの権利取得などでがんや自己免疫領域、細胞療法を含むパイプライン拡充にも積極的に取り組んでいます。
経営方針
同社は持続的な成長と安定した株主還元を目指しています。2024年末の現金・現金同等物は約24億9千万ドル、短期・長期有価証券を合わせた金融資産は約179億ドルと潤沢な資金基盤を持ち、買収と自社投資を成長エンジンとしています。具体的には、株主還元策として過去数年で複数回の自社株買いを実行し、2024年には約26.1億ドルを株式の買い戻しに充てました。さらに2025年2月には追加で最大30億ドルの買戻し枠を承認し、同年3月には四半期配当を初めて導入して1株あたり0.88ドルを支払う計画を示すなど、キャッシュの一部を配当と資本還元に振り向けています。
研究開発と製造に重点的に投資することで差別化を図っています。同社は抗体創製プラットフォーム(VelocImmune)を核に、眼科向けの主力薬や免疫・腫瘍領域の候補品群を強化しており、研究・前臨床に約2,562人、臨床開発に約2,151人を配置するなど人員面でも投資しています。製造面ではニューヨークのRensselaerに約10万リットル、アイルランドのLimerickに約12万リットルの細胞培養能力を有し、充填・仕上げ設備の検証を進めて品質と供給の安定化を図ることで他社との差別化を図っています。加えて、トレーニングや報酬制度で高度人材の確保を目指しており、約1,700名のPh.D./M.D.を擁する点も競争力の源泉です。
新規市場開拓と事業拡大は、買収とライセンス取得を通じて進めています。近年は2022年5月のCheckmate、2023年9月のDecibel、2024年4月の2seventy bioの腫瘍・自己免疫向け細胞療法パイプライン取得などを実行し、細胞療法とがん領域の強化を明確にしています。施設面でもタリータウン本社周辺の拡張や2024年9月に取得したサラトガスプリングスの約100万平方フィートの施設など大規模な設備投資を進めており、2025年の設備投資は8.5〜9.75億ドルを見込むなど生産能力と研究基盤の拡充を計画しています。一方で買収後の統合コストや人材流出、規制・開発リスクがあることも自覚しており、デューデリジェンスや段階的投資でリスク管理を図る方針です。
技術革新への取り組みとしては、既存の抗体創出技術の改良とともに次世代モダリティへの展開を推進しています。同社は抗体医薬だけでなく細胞療法や新規免疫治療の開発に資源を振り向け、前臨床から商業生産までを見据えたプロセス開発とGMP準拠の品質管理を強化しています。情報セキュリティや内部統制にも注力しており、技術リスクを経営のリスク管理に組み込みつつ、社内の技術委員会や複数部門による評価体制で研究成果の事業化を速めることを目指しています。