RADWARE LTDRDWR

時価総額
PER
クラウド・オンプレミス向けのサイバーセキュリティとアプリケーション配信ソリューションの大手。高度なDDoS対策やWAF、24x7のERT下攻撃対応サービスを展開。2022年2月に関連企業の技術資産を約3950万ドルで買収。イスラエル本社、28拠点で米州・欧州・APACに展開。

事業内容

RADWARE LTDはクラウドやオンプレミス、ソフトウェア定義データセンター向けにサイバーセキュリティとアプリケーション配信のソリューションを提供しています。主力はネットワークやアプリケーションの可用性確保と攻撃防御で、DDoS対策やウェブアプリ保護、ボット対策、ロードバランシングなどをソフトウェア・アプライアンス・クラウドサービスで揃えています。

同社の顧客は大企業や通信事業者、クラウド事業者を中心に幅広く、収益は製品販売とクラウド/サブスクリプション型のマネージドサービス、さらに導入支援やサポートといったプロフェッショナルサービスで構成されています。販売チャネルは主に代理店・リセラー経由で、米国など一部では直接販売も行い、売上は多くが米ドル建てかドル連動です。

同社は事業を製品群とサービス群で展開しており、主な製品ラインは分散型攻撃の緩和、ウェブアプリケーション防御(WAAP)、ボット管理、アプリケーション配信(ADC)です。これに加えて24/7の専門対応チームによる緊急対応や常駐エンジニア、設計・最適化などの有償サポートを組み合わせ、オンプレとクラウド双方で統合的な運用を支援しています。

経営方針

同社はクラウドとアプリケーションセキュリティ領域での持続的な成長を目指しています。具体的には、クラウド型サービスとサブスクリプション中心の収益モデルにシフトしつつ、中堅企業向けのフルマネージドセキュリティサービスで市場シェアを伸ばすことを掲げています。グローバルには28拠点を展開し、パートナー(例:CiscoやCheck Point)経由の間接販売と米国を中心とした直接販売を併用することで顧客基盤拡大を図っており、財務面では2024年・2025年にかけてそれぞれ最大8,000万ドルの自社株買い枠を設定するなど株主還元と資本効率の向上も進めています。

重点投資分野はクラウドWAFやボット対策、DDoS防御などのアプリケーション保護と、運用支援を含むマネージドセキュリティサービスです。差別化にあたっては「広い攻撃カバレッジ」と「運用支援力」を前面に出しており、緊急時に専門家が対応するERT(緊急対応チーム)や複数レベルのサポートプログラムを提供しています。また技術面では複数国で特許を保有・出願中で、2024年には業界アワードでも高評価を得るなど製品競争力の強化に注力しています。

新市場開拓や事業拡大では、中堅市場の取り込みとクラウド提供モデルの強化を中心に据えています。具体策としては、クラウド向けサービスの拡充やパートナー経由での販路拡大、さらには他社技術の取り込みを目的とした買収や戦略投資の検討・実行を掲げており、実際にSecurityDAMの技術買収(買収対価約3,952万ドル、追加の成果連動対価あり)などの事例があります。これにより自社のマネージドサービス能力とクラウド防御の提供範囲を有機的・無機的に広げる計画です。

技術革新への取り組みは研究開発投資とAIの活用が中心です。機械学習や生成AIを使った異常検知・誤検知低減の自動化、クライアント側攻撃やAPIレベルの防御、クラウドネイティブ環境向けのアクセス管理強化などを進めており、SoC(セキュリティ運用センター)支援のための大規模言語モデル活用枠組みや、Web/API保護、Bot管理、DDoS防御など製品群にAI/ML機能を組み込んでいます。加えて開発プロセスでは安全なソフトウェア開発や国際標準(例:ISO 27001)に沿った体制整備を行い、特許取得や出願による技術的優位の維持にも注力しています。