RB GLOBAL INC.RBA

時価総額
$177.8億
PER
商用資産と車両のグローバルマーケットプレイスの最大手。オークションサイトとデジタルのオムニチャネル取引プラットフォームを展開。23年に主要競合を約66億ドルで買収、24年にデジタル販路を約1,000万ドルで買収。世界約170カ国でオークション拠点とデジタルサービスを展開。

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企業概況
107文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
2項目)
ライバル企業
2社)
同業種の日本企業
1社)

事業内容

RB GLOBAL INC.は世界約170カ国で商業用資産や車両の売買を仲介するグローバルなマーケットプレイスを運営しています。主力は現地開催のオークションとオンラインプラットフォームを組み合わせたオムニチャネルの取引基盤で、Ritchie Bros.やIAAなどのブランドを通じて買い手と売り手をつなげています。

同社の主要顧客は自動車保険会社、ディーラー、大型フリートオーナー、機器メーカーやエンドユーザーなどで、建設や運輸、土木向けの機材も広く扱っています。収益は取引手数料や落札に伴うサービス料に加え、輸送、検査、整備、名義処理や金融サービス、データやベンチマーク提供といった付帯サービスから得ています。

事業は取引ソリューションと付随サービスに分かれ、オンサイト・オンラインのオークション、政府資産やサルベージ向け市場、固定価格のオンライン販売など複数の製品ラインを展開しています。さらに資産管理やデータ分析を行うRouse、機器ライフサイクル支援のSmartEquip、輸送マッチングのVeriTreadなどで付加価値を高め、技術投資や戦略的買収を通じて買い手基盤と企業パートナーの拡大を図っています。

経営方針

同社は長期的な成長戦略として、買収や先行投資を通じて市場シェアと取引規模(GTV)の拡大を目指しています。具体的には、2023年に約66億米ドルでIAAを買収して自動車分野のオムニチャネル市場プレーヤーを構築し、2024年にはBoom & Bucket(約1,000万ドル)や2023年初めのVeriTread(約3,240万ドル)といったデジタルプラットフォームを取り込みました。投資は先行的に行われており、投資回収の不確実性を踏まえつつも、2024年の投資キャッシュ流出は約3.016億ドルにとどめ、拡大期の資本配分を続けています(2023年は約31億ドル)。同社は世界約170か国の顧客にサービスを提供し、311拠点を基盤に安定的な取引基盤の拡大を図っています。

同社は重点投資分野として、オムニチャネルのマーケットプレイス運営、データ/分析領域、そして販売チャネル強化に注力しており、これが差別化戦略の核になっています。具体的には、プロプライエタリな画像解析(機械視覚)とアルゴリズムによる資産価格推定を用いて「プレミアム価格の実現」と「深い流動性プールの構築」を狙っており、RouseやSmartEquip、VeriTreadといったブランドを通じて資産ライフサイクル全体の付加価値サービスを提供します。また保険会社や大規模フリートといったエンタープライズパートナーの拡大を狙い、上流段階から価値を示すことで取引量を増やす施策を強化しています。

新市場開拓と事業拡大については、新興市場への投資や新たな情報ソリューション追加を明確な方針にしています。地域別には中小・中堅の建設・運輸(CC&T)顧客を営業担当が深耕することで地域シェアを拡大し、同時に大口の保険会社やフリート事業者向けに専用のソリューションを提案してパイプラインを太くする計画です。買収は成長の重要手段であり、過去のIAA統合では顧客関係や技術、営業基盤の統合により収益拡大とコストシナジーを期待している一方、買収費用や統合コストが発生する点も認識しています。

技術革新への取り組みでは、プラットフォームの近代化とクラウド移行、データサイエンス投資を優先しています。開発済み技術の取得や内製のデータ基盤強化により、資産価値のリアルタイム見積りや出品時の最適化を進めており、IAA買収に伴う無形資産の一つである「開発済み技術」は取得価額約2.45億ドルを4年で償却する計画です。さらに輸送・物流連携やオンライン即時購入機能などを統合することで、売り手と買い手にとってシームレスで信頼できる取引体験を提供することを目指しています。