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RYDER SYSTEM INCR
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事業内容
RYDER SYSTEM INCは、商用車のリース・レンタル・整備を中核に、サプライチェーン管理や専用輸送まで含む総合的な輸送・物流サービスを提供する企業です。 同社は車両の調達から保守、運行管理、そして中古車の販売まで一貫して手掛け、デジタル技術で安全性や稼働効率を高めるサービスも展開しています。
顧客は小売、製造、消費財や自動車などの大口企業が中心で、長期のリース契約や専用輸送・供給連鎖の契約が安定的な収益源になっています。 同社のレンタル事業や中古車販売は景気や中古車市況に左右されやすく、SCS(サプライチェーン)やDTS(専用輸送)では限られた顧客が収益の大きな割合を占める点が収益構造の特徴です。
事業は大きく「フリート管理」「サプライチェーンソリューション」「専用輸送」に分かれます。 同社のフリート管理ではフルサービスリース、選択型の整備・燃料サービス、レンタルや中古車販売、車両向けのデジタル運行管理を提供し、サプライチェーン部門は倉庫・輸配送・ラストマイル・共同製造や梱包など業界別の物流サービスを提供しています。 同社の専用輸送は専属車両とプロドライバーによる輸送や媒介業務を担い、近年の買収を通じてネットワークと規模を拡大しています。
経営方針
同社は収益性とキャッシュ創出の両面で安定した成長を目指しています。2024年は総収入が約$12.6B(前年同期比+7%)、営業収入ベースでは約$10.3B(+8%)と拡大し、継続事業の希薄化後1株当たり利益は$11.06、比較可能EPSは$12.00となりました。経営は「バランスの取れた成長戦略」を掲げ、事業モデルのリスク低減・資本効率向上・フリーキャッシュフロー創出に注力しており、2025年は営業活動によるキャッシュ$2,500M、売却収入$500M、設備投資$2,600Mを見込み、予想フリーキャッシュフローは約$400Mを目標としています。
同社は重点的に自社の資産とサービスに投資することで差別化を図っています。フリート管理(FMS)ではリース価格とメンテナンス改善でポートフォリオ収益を向上させ、レンタル稼働率は2024年に70%(2023年は75%)でした。中古車在庫は9,000台で長期目標の7,000~9,000台に維持しており、整備網や販売チャネルを活用して小売ルートで高い売却回収を目指しています。資本配分では、設備投資やM&Aによる成長投資とともに株主還元も重視し、取締役会承認の買戻しプログラムで四半期に265,627株(平均買付価格$148.30)を取得するなど実行しています。
新市場開拓と事業拡大は買収を通じて加速させています。2024年2月にCardinal Logistics(取得価額$302M)を買収して専属輸送(DTS)の規模とネットワーク密度を拡大し、2023年11月にはIFS(取得価額約$254M)を取り込みSCS(サプライチェーン)でコントラクト製造・倉庫機能を強化しました。SCSは2024年に総収入$5,300M、営業収入$3,965M、EBTは$332Mと拡大しており、オムニチャネル小売、自動車、消費財、ヘルスケアといった業界別ソリューションで顧客の外部委託需要を取り込む計画です。経営は景気循環に配慮しつつ、契約型ビジネスの拡大で安定した収益基盤を目指しています。
同社は技術革新を成長の重要施策と位置づけ、顧客向け可視化プラットフォームや運行・整備支援のデジタルサービスに投資しています。車両の稼働・整備データを活用して資産最適化や残存価値の見直しを行い、収益機会とリスク管理の両面で精度を高めようとしています。収益用資産の簿価は2024年末で約$9.2B、減価償却費は年間約$1.5Bと大きいため、テクノロジーによる運用効率化と価値予測の高度化は長期的な収益改善に直結すると同社は考えています。