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Restaurant Brands International Inc.QSR
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事業内容
Restaurant Brands International Inc.は、Tim Hortons、Burger King、Popeyes、Firehouse Subsという4つの有名外食ブランドを保有し、世界各地で直営店とフランチャイズ店を展開する外食持株会社です。同社は約3万2千店以上を運営するネットワークを通じて、コーヒーやハンバーガー、鶏料理、サンドイッチなど日常消費向けのメニューを提供しています。直営店は新商品や運営基準の実験場としても活用し、ブランド全体の改善に役立てています。
主要な顧客は来店や配達で商品を購入する一般消費者と、各ブランドを運営するフランチャイズ加盟店です。同社の収益は加盟店からのロイヤリティや手数料、直営店の売上に加え、仕入れ・流通や加工品の販売、広告基金の管理といった複数の柱で成り立っています。フランチャイズ比率が高く、加盟店向けサービスや供給網が安定した収入源になっています。
事業はブランド別と地域別のセグメントで構成され、特にTim Hortons向けにコーヒーの焙煎や菓子類の加工を行う供給拠点を持っています。他ブランドについても仕入れ先の承認や物流支援、品質管理を行い、加盟店向けの研修や運営サポートを提供しています。また、モバイル注文や配達連携、デジタル会員制度、ドライブスルー改善といった技術投資で顧客体験の向上を図っています。
経営方針
同社は持続的な売上と店舗網の拡大を成長の中心に据えています。2024年のシステム総売上は約444.8億ドル、世界の店舗数は約32,125店で、うち約95%がフランチャイズです。直近のネット店舗成長率は約3.4%で、会社はフランチャイズ主体のビジネスモデルを維持しつつ、事業買収や自社店舗のリイメージングを通じて成長を加速させることを目指しています。例えば、Carrolsの買収(現金543百万ドル、想定負債約431百万ドル、総対価648百万ドル)は、取得店舗を再改装して多数を再フランチャイズすることでシステム拡大と収益性改善を狙う具体策です。また、配当は2025年合計で1株当たり2.48ドルを目標としており、株主還元も成長戦略の一部になっています。
同社が重点投資する分野はブランドごとの供給網改善と店舗オペレーション強化です。Tim Hortons向けのコーヒー焙煎設備やファンダント製造など自社の供給拠点を保有し、カナダの流通センターや配送車両で安定供給を図っています。一方で、Burger KingやPopeyes、Firehouse Subsでは第三者サプライヤーと連携しながら規模のメリットでコスト最適化を進めています。独自の強みとしては四つのアイコニックブランドを抱えることによる「日別時間帯(デイパート)の補完性」と、北米中心に広告基金の運用やブランド支援を行うフランチャイズ指導力があり、これらを通じて競合との差別化を図っています。
新市場開拓と事業拡大は、ジョイントベンチャーやマスターフランチャイズ契約を活用した国際展開が基本方針です。同社は既存ブランドを海外で展開する際に現地パートナーと開発契約を結び、現地事情に合わせた出店を進めています。成長機会として中国やブラジルなどの地域での展開が注目されており、Burger King ChinaやPLK China、FHS Brazilに関する投資家やパートナー探しを進めるといった課題と機会に取り組んでいます。また買収後のリモデリングと再フランチャイズを通じて、会社保有店舗を効率的にフランチャイズへ移行させる計画も具体的な施策です。
技術革新は売上拡大とオペレーション効率化の重要な柱で、同社はデジタル販売や情報システムへの継続的投資を表明しています。店頭では標準化されたポイント・オブ・セール(POS)システムを導入し、モバイル/ウェブ注文やキオスク、カスタマイズ可能なデジタル配達アプリ、ブランド横断のデジタルロイヤルティを展開して顧客利便性を高めています。さらにドライブスルーの近代化や決済・受取の多様化を進め、サイバーセキュリティ対策や外部監視サービスの活用も含めて、テクノロジーを通じた成長とリスク管理を両立させようとしています。