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Sprott Physical Silver TrustPSLV
事業内容
Sprott Physical Silver Trustは実物の銀地金を主要資産として保有し、投資家が銀価格に連動する投資機会を得られる上場信託を運営しています。 同社は銀の購入・保管・評価を行い、発行するユニットを株式市場で上場して投資家が売買できる仕組みを提供しています。
主要な顧客は個人投資家や機関投資家で、ユニットの売買や新規購入を通じて銀市場へアクセスします。 同社の収益源は主に運用資産に対する管理報酬や流通に伴う手数料で、保管費用や事務コストを差し引いた形で運営しています。
事業の中身は、物理銀の取得と安全な保管、ユニットの発行・市場での流通、そして投資家向けの情報開示や償還手続きといった運用・事務サービスで構成しています。 ユニットの償還は現金か実物銀の受け取りを選べ、実物受け取りを選ぶ場合は引取・保管の費用を投資家が負担しますし、同社は流動性確保のため一定の現金準備を置き、ユニット価値は銀価格の変動に連動する構造です。
経営方針
同社は投資家に対して「実物銀への直接的な価格連動」を提供することを成長の中心に据えています。設立時には57,500,000口を単価10ドルで販売し、総額約5億7,500万ドルを調達、うち約5億4,170万ドルを実物銀に投資しており(初期取得平均価格24.29ドル/トロイオンス)、2010年12月31日時点で約22,298,525オンスの銀を保有していました。純資産価値は1口あたり12.09ドルで、上場市場での取引では平均で約8.6%のプレミアムが付く状況でした。運転資金として保有する現金は純資産の3%を超えないことを目標にしており、流通口数の増加や市場での需給を通じて資産規模の拡大を図っています。
同社は差別化の核として「物理的な銀の直接保有」と高い情報開示を重視しています。投資対象は基本的に実物銀地金であり、短期の現金は満期90日未満のカナダ国債などで運用するなど安全性を確保しています。加えて、保管や受渡しに関する手続きや費用を明確化し、投資家が希望する場合は物理引取(インカインド)による償還を認める一方で、その場合の配送費や保管手数料は投資家負担とするなど透明なルールを定めています。手数料や重要な運用方針の変更には一定の投票要件(多数または特別決議)が求められる仕組みを採っています。
同社は新市場開拓と流通拡大を通じて投資家層を広げることを目指しています。上場はカナダの取引所と米国の取引所の両方で行っており、引受による販売や流通チャネルの拡充で機関投資家・個人投資家双方からの資金流入を促進する方針です。マネージャー側には過去に資産を50百万ドルから43億ドルへ成長させた実績もあり、これを活用して販売ネットワークや提携先を増やす具体的施策を進めています。運用面では必要に応じて追加の口数を発行したり、純資産の管理のために保有銀の売却で経費を賄う運用ルールも明確にしています(ただし現金準備は総資産の3%程度を目安)。
同社は技術・運用面の整備で「安全性と透明性の両立」を目指しています。研究開発自体は行っていないものの、国際会計基準に基づく財務報告や開示体制を整備し、年次監査報告を90日以内、四半期報告や中間報告をそれぞれ定められた期日内に提示する運用ルールを採用しています。決済・保管・評価業務は専門の受託機関やカストディアンと連携し、電子的な決済・清算システムを活用して迅速な取引処理を行うことで流動性管理と保安対策を強化しています。これらの取り組みにより、投資家に対して実物資産の保有に伴う信頼性を提供することを目指しています。