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PS BUSINESS PARKS, INC.PSBXP
事業内容
PS Business Parks, Inc.は不動産投資信託の形態で、主にマルチテナントの工業用施設、工業フレックス、郊外の低層オフィスといった商業用物件を所有・運用・取得・開発し、賃貸事業を展開しています。 同社は大規模な事業用パークに多様な区画を備え、標準化した内装で「すぐ入居できる」状態を維持して空室期間を短縮することに注力しています。
主要な顧客は中小規模の企業が中心で、多業種に分散した多数の小口テナントから賃料収入を得ています。 同社は人口・雇用・所得など成長性の高い市場に集中投資し、短めの賃貸期間を活かして市場賃料の上昇を迅速に取り込むことで安定的なキャッシュフローを確保する収益構造を持っています。
事業の中核はマルチテナント工業用、工業フレックス、郊外オフィスの三領域で、各物件は複数の建物と多様な面積構成から成る大規模パークとして運営しています。 同社は顧客サービスや物件管理を重視して入居率と賃料を高めるとともに、立地や周辺の住宅開発状況を踏まえた再開発案件にも取り組み、資産価値の向上を図っています。
経営方針
同社は株主価値の安定的な拡大を目指しています。具体的には保有資産の賃料収入とキャッシュフローの最大化を成長の中心に据えており、2022年12月31日時点で471棟、約2,065.7万平方フィートの賃貸面積を保有しています。開発パイプラインは当時で4件、約72,825平方フィート、推定プロジェクト費用は約1.99億ドル(同社報告は千ドル表示)で、2023年内に稼働化を見込む案件も含まれています。加えて、非中核資産(58物件)の配分や売却を通じてポートフォリオを再編し、2022年の後期には約13億ドル相当の処分・配分を実行して重点市場に資本を集中させています。
同社は投資の重点分野として人口や雇用が堅調な主要物流・郊外オフィス市場(カリフォルニア、テキサス、フロリダ、ワシントン、メリーランド、バージニア等)に資本を配分しています。差別化策としては、入居の汎用性を高める「標準仕様の内装」で短期間の即入居を可能にし、小規模テナントを多く集めることで業種分散と入居率の安定を図っています。また敷地内に多様なサイズの建物を揃えた大規模パーク型の物件構成を重視し、テナントに共益費や税金等を負担させる契約を多く用いることでインフレやコスト上昇の影響を部分的に軽減しています。テナント改善費や仲介手数料等については賃料収入で賄う方針で、直近のコミットメントは約310万ドル相当となっています。
新市場開拓や事業拡大では、既存の有望市場への追加投資と併せて、再開発ポテンシャルのある物件を選別してより高い用途への転換を検討しています。特に都市近郊の再開発エリアでは用地再配置や建替えで収益性を高める方針で、開発費用や債務構成はマージャー後の資金調達(複数のモーゲージローン取得)や保有資産の処分により調整しています。流動性面では短期的に利払いや進行中開発費の支払いが見込まれており、報告書では次の12か月で約2.96億ドルの利息支払見込みや、開発資金として約1,757万ドルの追加支出予定が示されています(数値は報告書の千ドル表示に基づく)。
技術革新と業務効率化については、同社は親会社系の運営会社(Link)とのマスターサービス契約を通じて、会計・税務・資金管理・情報システム・データ管理などの集中化された基盤を活用しています。これにより、賃貸管理や顧客サービスの標準化、ポートフォリオ分析の精度向上を図り、外部の評価会社やバリュエーション専門家を活用して取得物件の価値算定や開発採算を検証しています。加えて、開示統制や内部統制の評価を定期的に行い(2022年12月31日時点では有効と結論)、情報セキュリティやシステム障害リスクの管理にも注意を払っています。