PERRIGO Co plcPRGO

時価総額
$17.4億
PER
セルフケア製品の最大手。OTC・プライベートブランド医薬品とOpillのOTC化を展開。2022年4月に約18億ユーロで欧州ブランドを買収、2022年11月に工場を1.1億ドルで取得。米国・欧州・豪州中心に展開。

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企業概況
107文字)
業績概況
テーマ
ブランド
1項目)
ライバル企業
4社)
同業種の日本企業
1社)

事業内容

Perrigo Co plcは、主にセルフケア向けの消費者向け医薬品や一般用医薬品(OTC)を開発・製造・販売する企業です。同社は小売店向けのプライベートブランド(ストアブランド)製品の供給を主力としながら、自社の成長ブランドも展開しており、最近は処方箋不要で店頭購入できる経口避妊薬Opill®などの新製品投入に力を入れています。

主要な顧客は大手小売チェーンや薬局、スーパーマーケット、EC業者、卸売業者で、Walmartへの販売が2024年の連結売上の約11.9%を占めます。同社は大量供給による規模の経済を活かし、店頭向けプライベートブランド販売を中心に収益を上げる一方、選択的な自社ブランドや新製品の販売でも収益拡大を図っています。

事業は大きく米国・カナダを対象とするConsumer Self-Care Americas(CSCA)と、それ以外の地域を含むConsumer Self-Care International(CSCI)の二つのセグメントで運営しています。製品ラインは風邪・咳やアレルギー薬、スキンケア(例:Compeed)、婦人科向け製品(例:OpillやellaOne由来製品)、乳児用栄養など多岐にわたり、同社は自社工場と外部調達を組み合わせて生産・流通の効率化と供給安定化(サプライチェーン再編)に取り組んでいます。

経営方針

同社は「持続的で価値を創出する成長」を目指しています。成長の柱として消費者に支持されるブランドとイノベーションの推進、顧客とともにカテゴリ全体を拡大する取り組み、品質確保を前提としたサプライチェーンの強化、そしてグローバルな組織再編による一体運営を掲げています。株主還元面では、2024年に総額1億5250万ドルの配当を支払い、取締役会は最大10億ドルの自社株買い権限を維持(2024年末時点で約8.358億ドルを利用可能)しているなど、キャッシュ創出と株主還元を両立させる方針です。

重点投資分野としては「高成長ブランド(High‑Grow)」への集中、供給網の再構築、情報システムや人材への投資を挙げています。2018年から始めたサプライチェーン再編プログラムは原価構造の改善と在庫・生産最適化を狙い、2024年に発表した Project Energize は業務効率と俊敏性を高めるための追加投資計画です。差別化戦略は北米での小売向けストアブランドにおけるリーダーシップと、欧州を中心とした自社ブランド(Compeed、ellaOne、Mederma 等)の組合せにあり、買収で得たブランド力と自社の製造・流通規模を活かして価格帯と価値を幅広くカバーしています(HRA Pharma買収は約18億ユーロ相当、NestléのGateway工場取得には1.1億ドルを投じています)。

新市場開拓と事業拡大は、有機的な新製品投入と戦略的なM&Aの両面で進めています。例として、処方箋不要の経口避妊薬「Opill®」を2024年3月に米国内で発売するなど、規制面での先行優位を活かしたチャネル拡大を図っています。一方で買収・売却は資本配分の重要手段であり、過去にラテン米州事業の売却や病院向け事業の譲渡を行うなどポートフォリオを整理しており、今後も高成長分野への資源集中を進める計画です(同社は新規カテゴリ・地域・販路への参入を明確に掲げています)。

技術革新への取り組みでは、研究開発組織の強化とデジタル化を推進しています。最高科学責任者や「Disruptive Growth Team」を新設し、製品ごとに3~5年のイノベーション計画を策定して内製R&Dと外部提携を併用する体制を取っています。生産面では高度な需要予測や生産計画ツールへの投資で稼働率と品質を向上させること、環境面では温室効果ガスや水・廃棄物の削減、包装のリサイクル率向上といった具体的なサステナビリティ目標に取り組むことで、長期的な競争優位の確立を図っています。