PERPETUA RESOURCES CORP.PPTA

時価総額
$15.8億
PER
鉱山開発・鉱物探査の新興企業。米国唯一のアンチモン埋蔵量を有する鉱床と金銀ロイヤリティを展開。EXIMの18億ドルLOI受領(2024年4月)、DODのTIA2,480万ドル確定(2023年7月)。米国アイダホ中心に展開。

事業内容

PERPETUA RESOURCES CORP.は米国アイダホ州のStibnite Gold Projectを中核に、鉱山資源の探査・開発を行う開発段階の企業です。同社は金や銀、アンチモンなどの資源の評価や採掘計画の策定、許認可取得と並行した環境修復・管理に注力しています。

主要な収益源はまだ商業生産に至っていないため、現時点では株式の発行や公開売出し、ATMプログラム、公的助成金や政府との技術投資契約(例:国防総省との契約)、およびロイヤルティー契約による資金調達に依存しています。同社はフランコ・ネバダ等との金・銀ロイヤルティ取引や政府系の出資・支援を活用しつつ、主要株主が経営に大きな影響力を持つ点も資本構成の特徴です。

事業の中身は主に探査・資源評価、許認可と地域対応、そして生産開始に向けた開発・建設準備の三領域に分かれます。同社は水利権や土地の取得、環境規制対応や地域コミュニティとの協働にも力を入れており、商業生産が始まれば鉱物の販売とロイヤルティ収入での収益化を目指しています。

経営方針

同社は主力プロジェクトである「Stibnite Gold Project」の開発を通じて事業化と商業生産の実現を目指しています。経営陣は2025年中の建設決定を目標に掲げており、2025年の予算は約6,590万米ドルを見込んでいます(うち許認可関連に約1,190万ドル、設計・詳細工事と長納期機器の前払に約2,840万ドル、現場運営に約800万ドル、一般管理費等に約1,620万ドル)。一方で、プロジェクト全体の建設資本は2024年末時点で約22.15億米ドルと試算されており、同社は外部からのプロジェクト・ファイナンス獲得を最優先課題としています。これまでに国防総省との技術投資契約(最大2,480万ドル)や、米国輸出入銀行(U.S. EXIM)への資金申請を進めるなど、複数の資金調達ルートを並行して追求しています。

重点投資分野として、同社は許認可取得と環境対策、詳細設計と長納期機器の確保、現場運営・モニタリングに資金と人材を集中させています。特に同社は米国内で唯一のアンチモン(antimony)備蓄を持つ点を差別化要因と位置づけ、アンチモンを含む製品の安定供給という国家的ニーズに応えることで政府支援や戦略的パートナーシップを引き出す方針です。資金調達面では、2024年に公募やATM(継続売出)で約3,320万ドルと約1,040万ドルを調達しており、ロイヤルティ売却による一時的な資金確保(フランコ・ネバダ社との銀ロイヤルティ取引で約833万ドルの調整)など、資本効率を高める施策も実行しています。

新市場開拓や事業拡大については、同社はプロジェクトを起点に金・アンチモン・銀といった鉱産物の安定供給体制を構築し、国内外の製錬業者や戦略的買い手との長期販売契約(オフテイク)や、建設資金を出す戦略的投資家との提携を模索しています。経営陣は資金調達だけでなく、事業リスクを低減するための戦略的取引(合弁や債務+株式の組合せ等)を検討しており、主要株主の影響力や許認可・環境規制の不確実性を踏まえながら段階的に拡大を進める計画です。また、地域コミュニティや規制当局との協働による許認可プロセスの円滑化にも注力しています。

技術革新への取り組みでは、同社は技術投資契約により約2,480万ドル規模の支援を受けつつ、採掘・選鉱・環境復元の工程で最新の設計・装置を導入する方針です。詳細設計段階では環境負荷低減や水処理など監視技術を組み込み、ASAOC関連の橋渡し計画や完了後のモニタリングにも資金を配分しています。加えて、情報セキュリティや運用データの監視体制を整備し、外部コンサルタントや第三者監査を活用して安全性と透明性を高めることで、投資家や政府機関の信頼獲得を図っています。