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PPG INDUSTRIES INCPPG
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事業内容
PPG Industries, Inc.は世界的な塗料・コーティングと特殊材料のメーカーで、建築用から産業用、自動車向け、航空機向け、包装材向けまで幅広い塗料、シーラント、接着剤や機能性材料を製造・販売しています。 同社は研究開発と製品改良に注力し、耐久性や環境配慮を重視した製品群を市場に投入しています。
主要顧客は自動車メーカーや部品サプライヤー、航空機メーカー、金属加工業者、建設・塗装業者、食品・化粧品の包装メーカー、さらに一般消費者向け小売チャネルまで多岐にわたります。 同社は大口のメーカー向け直接販売と独立ディストリビューターや自社流通網を組み合わせ、製品販売と塗装・化学管理などの付帯サービスで収益を構成しています。
事業は大別してグローバル建築塗料、パフォーマンスコーティング(航空、再塗装、防食など)、工業用コーティング(自動車OEMや産業用途)および特殊製品のセグメントに分かれています。 各セグメントでは自動車用OEM塗料や包装向けコーティング、光学材料や機能性基材などを扱い、世界各地の生産拠点と技術サポートを通じて顧客の用途に応じた製品供給を行っています。
経営方針
同社は成長を「買収」と「自社の強化」の両輪で進めています。過去10年で50件を超える買収を完了しており、今後も追加の買収や合弁事業を想定しています。直近の売上高は約158億ドル(2024年)で、全体の約68%が米国外で計上されており、グローバル展開を重視しています。経営目標としては、販売価格の改善と販売数量の回復を通じてセグメント別のオーガニック成長を確保し、短期的にはセグメントのオーガニック売上を前年同期比で「横ばい〜低い一桁台の増加」レンジに収めることを見込んでいます。また、株主還元でも積極的で、既存の2.5億ドル枠に加え2024年4月に追加で25億ドルの自社株買い枠を承認しています。
同社は重点投資領域として航空機用塗料や保護・海事用塗料、交通ソリューション、そして自動車補修向け塗料を挙げています。とくに航空用塗料は全地域で二桁のオーガニック成長を示し、受注残を抱えるため生産能力のボトルネック解消や工場拡張に投資を進めています。研究開発費は約4.47億ドルで売上比2.8%を投じ、製品性能や耐久性、環境負荷低減で差別化を図るとともに、現地顧客に近い研究拠点で顧客用途に合わせたカスタマイズを強化しています。
新市場開拓と事業ポートフォリオの最適化も重視しています。2024年には米加の建築用塗料事業を売却し、海外売上比率を高める戦略を採りました。今後も合弁やターゲット買収でインドや中国を含むアジアやラテンアメリカでのプレゼンスを拡大する一方、電動自動車やライドシェアといった自動車産業の構造変化による需要変動に対応するため、耐久性や省資源を訴求する「環境配慮型製品」へシフトする方針です。ただし買収の統合やサプライチェーンの混乱、地政学リスクといった課題が想定されるため、慎重な実行管理を行っています。
技術革新への取り組みでは、同社は厳格なステージゲート方式で新製品導入を管理し、イノベーションの効率化を図っています。持続可能性と生産性向上を軸にコア技術プラットフォームを活用し、新素材や低廃棄・高耐久の配方を開発しています。加えてデジタル化にも投資し、顧客向けのオンラインチャネルや生産管理のデジタル化で受注・供給の精度向上と品質管理を推進しているほか、情報システムやサイバーセキュリティ対策にも注力して事業継続性を高めようとしています。