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PILGRIMS PRIDE CORPPPC
事業内容
Pilgrim’s Pride Corporationは、鶏肉と豚肉の生産・加工・販売を手掛ける食肉大手で、冷蔵・冷凍の「フレッシュ製品」と加熱や成形を行った「調理・付加価値製品」、輸出向け製品など幅広い製品を供給しています。 同社は垂直統合型のサプライチェーンを持ち、飼料生産、孵化、育成、加工から流通まで自社で管理して食品安全と品質を確保しています。
同社の主要顧客はチェーンレストランや食品加工業者などのフードサービス、スーパーマーケットや卸売クラブといった小売り、さらに輸出先を含む流通業者です。 2024年の連結売上高は約178億ドルで、米国とメキシコではフレッシュ製品が収益の中心を占め、欧州では調理・付加価値製品の比率が高い構成になっています。 上位2社の顧客が合計で約16.6%(2024年)を占めるなど、大手顧客への依存度も一定程度あります。
事業は地理的に米国、欧州、メキシコの3つの報告セグメントで運営しており、それぞれで生鮮鶏肉(丸鶏、部位、胸肉など)やケースレディ製品、調理済み・半調理品(ナゲットやパティ、デリ製品、ベーコン、ソーセージ等)を展開しています。 同社は約4,500の生産者ネットワークや多数の飼料工場・孵化場・加工工場・調理工場・流通拠点を持ち、製品ラインの幅広さと供給安定性で顧客ニーズに応えています。
経営方針
同社は米国、欧州、メキシコの三大市場を基盤に、規模と収益性の両立を図ることを成長の中心戦略としています。2024年の連結売上高は約$17.9 billionで、米国・欧州・メキシコの各セグメントを活用して安定的な収益基盤を確保することを目指しています。大手外食チェーンや小売大手(例:Chick‑fil‑A、Kroger、McDonald’sなど)との長期取引を重視し、既存顧客への深耕で売上の拡大と収益性改善を図ることを基本方針としています。
同社は垂直統合による差別化を重視しており、原料調達から孵化・飼育・加工・流通まで自社ネットワークでコントロールすることでコストと品質を管理しています。具体的には約4,500の飼育業者、35の飼料工場、49の孵化場、39の加工工場、29の流通センターといった設備を保有し、鮮度やトレーサビリティで他社と差別化しています。加えて、欧州では惣菜・加工品の比率が高く(欧州での調理済み製品は売上の約65.8%を占める)、付加価値の高い製品ポートフォリオの拡大に重点を置いています。原料リスク管理ではトウモロコシが飼料コストの約42.2%、大豆粕が約38.0%を占めるため、長期契約やデリバティブ等で価格変動ヘッジを行うとともに、2025年支払予定の購入契約約$400.7 millionなどの調達計画を運用しています。
新市場開拓と事業拡大では、欧州事業の組織再編(2024年7月に報告単位を「生鮮」「フードサービス」「ミール」「ブランド&スナッキング」等に再編)や、米国内での設備投資を通じた生産能力の強化が主要施策です。たとえばジョージア州ダグラスのプロテイン加工施設については、税制優遇を受けるために$130 millionの産業債を用いたプロジェクトを実行しており、国内外の輸出チャネルも120カ国超に広がっています。設備稼働率の高いライン(鮮度加工は稼働率約93%)を中心に追加投資を行い、需要期に対応する供給力を確保することで新規受注獲得と既存顧客の拡大を目指しています。
技術革新や業務改革にも注力しており、基幹系のERP導入を段階的に実施(2024年に第1フェーズを完了)して業務効率とデータの一元化を進めています。商品開発面では定性・定量の消費者調査を活用して新商品やパッケージを設計し、加工食品比率の拡大に向けた技術投資を続けています。また、安全・人材面での投資も重要視しており、2024年には従業員の研修時間が約1,394,426時間に達し、重傷事故を前年より37%削減するなど生産現場の改善に取り組んでいます。これらの取り組みを通じて、同社は品質と効率を両立させた持続的成長を目指しています。