PREFORMED LINE PRODUCTS COPLPC

時価総額
$11.6億
PER
エネルギー・通信向け資材の世界最大手。形成ワイヤやコネクタ、光スプライスクロージャー、太陽光架台、EV充電基礎、ドローン点検を展開。2023年11月に追加の自社株買い枠承認。米国・EMEA・アジア太平洋の20カ国で展開。

事業内容

Preformed Line Products Companyは、電力や通信ネットワークの敷設・保守で使う部品やシステムを設計・製造する会社です。主力製品はケーブルや導線を支え、保護し、接続・終端する各種金具や接続器、光・銅のスプライス(接続)収納装置、ソーラー架台や電気自動車充電設備の基礎部材などで、ドローンによる送配電設備の点検サービスも手掛けています。

同社の顧客は主に電力会社や通信事業者、ケーブル・データ通信事業者、太陽光やEV関連の施工業者、流通パートナーなどで、売上は製品販売と点検・緊急修理などのサービスが中心です。事業は電力と通信分野に集中しており、特に米国内での迅速な供給力と緊急対応力を強みとして収益を上げています。

同社は地理的に四つのセグメント(PLP‑USA、The Americas、EMEA、Asia‑Pacific)で事業を展開し、それぞれが地域のエネルギーや通信、市場向け製品をフルラインで供給しています。PLP‑USAは米国内向けの伝統的製品やソーラー架台、点検サービスを主に製造し、他の地域部門は中・送電や通信向け製品を拡充して国際販売を伸ばしています。研究開発と特許も重視し、環境保護や野生生物対策製品など差別化要素も持っています。

経営方針

同社は、エネルギーと通信分野でのリーダーシップを活かして「持続的な収益成長」を目指しています。具体的には、送配電網や通信ネットワークの強靭化・更新需要に対応しながら、既存顧客への迅速な供給で市場シェアを拡大する方針です。財務面では地域別の営業責任者が業績管理を行い、セグメントごとの資源配分は主に総売上高と税引前利益を基準に決定しています。株主還元については四半期配当が2024年は各期0.20ドルで支払われ、市場価値は2024年6月30日時点で約275,665,503ドル、発行済普通株式は2025年2月21日時点で4,940,991株といった具体的な数値も開示しています。

同社は重点投資分野として国内製造能力の強化と製品差別化に注力しています。2023年に約1,380万ドルで取得した射出成形企業(Pilot Plastics)により国内の成形能力を拡充し、垂直統合を進めることでコスト競争力と納期対応力を高めています。研究開発体制(Research and Engineering Center)と現地のエンジニア部門を通じて顧客ニーズに応える独自設計を行い、緊急時の供給や現場対応力を差別化要素としています。セグメント運営はPLP‑USA、The Americas、EMEA、Asia‑Pacificの四地区に分かれ、各地域の責任者は最高執行決定者に直接報告する組織です。

同社は新市場開拓と事業拡大を、買収と製品開発の二本柱で進めています。国際事業は従来の中電圧配電中心から、買収や新製品で送電・通信分野へ拡大しており、20か国にわたる販売・製造拠点と約3,401名の従業員を通じてグローバル需要に対応しています。加えて、太陽光フレーミング、電気自動車充電基礎、送電線のドローン点検サービスなど新たな分野にも参入しており、既存顧客へのクロスセルや地域ごとの製品適合で着実な事業拡大を図っています。

技術革新については、同社は知的財産と現場技術の蓄積を重視しています。2024年末時点で米国特許68件、国際特許116件、米国出願41件、国際出願114件を保有・出願中で、商標も米国31件、国際278件を管理しています。研究開発は発生主義で費用処理しつつ、新設計や材料技術、現場向け保護製品(野生生物保護等)や光ファイバー関連機器、災害復旧用の即応修理品といった製品群で差別化を図っています。一部拠点はISO‑14001を取得するなど環境配慮も進め、技術とオペレーションの両面で信頼性を高める取り組みを継続しています。