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Planet Fitness, Inc.PLNT
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事業内容
Planet Fitness, Inc.は、低価格で気軽に通えるジムチェーンを展開するフランチャイズ企業で、初心者にも利用しやすい「ジャッジメントフリー」な環境を売りにして会員向けの設備とサービスを提供しています。同社はシンプルで長時間利用できるクラブ運営を中心に、入会や月額会費を主軸とした会員サービスを展開しています。
主要な顧客は個人会員とフランチャイズオーナーで、収益は会員の月会費や有料オプション、プレミアム会員料に加え、フランチャイズからのロイヤリティや加盟金、そして直営クラブの売上で構成されています。同社はフランチャイズモデルを中心に拡大しており、加盟店からの継続的なロイヤリティ収入が安定した収入源になっています。
事業は大きく直営クラブとフランチャイズクラブに分かれており、圧倒的に多くが加盟店による運営です。会員向けには月額のベーシックプランと、全国利用やゲスト利用など特典のあるプレミアム(ブラックカード)プランを用意し、日焼けやマッサージなどの付帯サービスやモバイルアプリを通じたデジタルコンテンツも展開しています。加えて、同社は加盟店向けの研修や設備調達支援などフランチャイズ運営のサポートを行い、ブランドの維持と成長を図っています。
経営方針
同社はフランチャイズ主体の拡大を成長の中心に据えています。2024年末時点でシステム全体のクラブ数は合計2,722店(うちフランチャイズ店2,445店、直営店277店)となっており、加盟店の投資で新規出店を加速するモデルを採用しています。株主還元の一環としては、2024年に上限5億ドルの自社株買いプログラムを承認し、6月に実行した加速型自社株買い(ASR)は約2.8億ドル規模で行われるなど、資本効率の改善も狙いとしています(2024年6月30日時点での時価総額は約62億ドル)。ただし同社は明確な年間出店数目標を開示しておらず、成長は多くをフランチャイズ加盟者の資金調達力や立地確保に依存している点を明言しています。
重点投資はフランチャイズ支援とブランド強化、そして既存店舗の改装・取得に向けられています。加盟店向けに設備や備品の調達ルートを維持・見直すほか、直営化やM&Aによる市場浸透も行っており、過去には複数州で114クラブの買収など実務的な店舗統合を行っています。金融面では固定金利の証券化ノートを発行して金利上昇リスクを低減しており、一方で最大7,500万ドルの変動型借入枠は未使用のまま維持するなど、資金調達の柔軟性とリスク管理を両立させようとしています。
新市場開拓では国内の全50州に加え、カナダ、メキシコ、パナマ、オーストラリア、スペインなどへ展開しており、国際拡大を継続しています。ただし同社自身も認める通り、新市場ではブランド認知や加盟希望者の資金調達が成否の鍵で、加盟者が融資を受けられない場合は出店計画の遅延・縮小につながるリスクがあります。こうした事情を踏まえ、マーケティング投資や加盟候補者のリクルート活動、既存クラブの再編(統合・改装)を通じて着実に市場シェアを伸ばす方針を取っています。
技術革新への取り組みでは、2019年に導入したカスタムモバイルアプリをはじめ、店内メディアの刷新やプレミアムデジタルコンテンツの提供などデジタル施策に注力しています。入会プロセスの簡素化や会員エンゲージメント向上を目的にクラウド基盤でのプラットフォーム構築を進め、サイバーセキュリティ面では専任のITセキュリティ責任者と取締役会(監査委員会)の定期的な監督、インシデント対応計画を整備しています。人材面でも「Planet Fitness University」で60以上の研修コースを提供し、加盟店運営や本社の運用能力を高める投資を続けています。