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Dave & Buster's Entertainment, Inc.PLAY
事業内容
Dave & Buster's Entertainment, Inc.は大型の飲食・娯楽複合施設を展開し、店内でのゲームやアミューズメントとフルサービスのレストラン・バー、スポーツ観戦設備を組み合わせた体験を主力にしています。施設内ではビデオゲームやシミュレーション、賞品交換ができるゲーム機や大画面の視聴エリアなど、集客につながる多様な遊びと飲食を同時に楽しめるようにしています。
同社の主要な顧客層は家族連れ、若年層のグループ、スポーツ観戦を楽しむ大人で、来店ごとの飲食売上とゲーム用のチャージ(プリペイドカードや電子ウォレット)が収益の柱になっています。加えて、貸切パーティーや特別イベント、ロイヤルティプログラム経由のリピート需要が大きく、デジタルマーケティングとモバイルアプリを通じた販促で顧客頻度を高めています。
事業の中身は大きく「エンターテインメント」「飲食・酒類」「イベント営業」「デジタル・ロイヤルティ」の各領域に分かれています。具体的には最新の大型ゲームや対戦型アトラクション、季節やスポーツに合わせたプログラミング、メニューの刷新によるフード提供、そして予約や会員特典を支えるモバイルアプリや運営システムに投資して店舗体験の向上を図っています。
経営方針
同社は既存店の同一店舗売上(comparable store sales)を押し上げることを成長の中心に据えています。店舗ごとの投資効率は「店舗レベルの調整後EBITDA÷純開発費」で評価し、収益性の高い出店を重視している点が特徴です。資本政策面では取締役会が総額6億ドルの自社株買い枠を承認しており、2025年2月時点で残枠は約1.28億ドルです。また、時価総額ベースでの外部評価は非関連株主保有部分で約13億ドル、発行済株式数は34,515,297株(2025年4月4日現在)といった数字も開示しています。
同社はエンターテインメントと飲食の両面に重点投資し、差別化を図っています。具体的には年次で最新の大型・体験型ゲームや自社開発のプロプライエタリゲームを導入し、グループで楽しめるマルチプレイヤーや目を引く装置で家庭では再現しにくい体験を提供することで来店動機を作っています。フード&ドリンク面ではメニューの簡素化や調理工程の改善で提供スピードと品質を高め、「Eat & Play Combo」や「All You Can Eat Wings+$10 Power Card」などのプロモーションで来店・滞在時間を伸ばす施策を実行しています。店舗リフレッシュや定期メンテナンス、特別イベントの開催も継続的に行い集客を維持しています。
同社は新市場開拓と事業拡大に当たり、既成事業の買収や資産売却(セール・リースバック)を資金源として活用しています。例えば2023年10月〜2025年2月にかけて複数回の売却リースバックを実行し、正味で合計およそ2.65億ドルの資金を調達しています。また、2022年にMain Eventを買収した実績があり、今後も適切な立地の新規出店と戦略的なM&Aで事業規模の拡大を図る方針です。一方で負債水準も高く、2025年2月時点でリボルビング借入135.0百万ドル、タームローン1,389.3百万ドルが残高としてあり、金利が1ポイント動くと年間で約13.9百万ドルの影響が出る点を踏まえた資金運用が求められています。
同社は技術投資で顧客体験と運営効率の両方を強化しています。2023〜2024年度にかけてERP(基幹業務)導入をほぼ完了し、会計・在庫・勤怠・人材管理の一元化で報告の迅速化と管理強化を実現しました。顧客側ではモバイルアプリやウェブ、店内キオスクでの取引追跡やロイヤルティ施策を強化し、顧客データに基づく個別割引やクロスセリングを行っています。アミューズメント運営でも独自のメンテナンス管理アプリや予防保守を導入し、稼働率向上と遊技機の魅力維持に努めています。