Park Hotels & Resorts Inc.PK

時価総額
$19.7億
PER
ホテルの所有・運営の大手。上位高級フルサービスホテルと会議・宴会、飲食などの付帯サービスを展開。2024年12月にホテル売却で約3,500万ドルの粗収入、2023年に土地取得で約1,800万ドルを投資。米国中心に展開。

事業内容

Park Hotels & Resorts Inc.は上位のフルサービスホテルを所有する不動産投資信託(REIT)で、主に都市部やリゾートの大型ホテルを保有して宿泊や会議・宴会、館内施設の運営を行っています。 同社は客室の賃貸を中心に、レストランや宴会、スパや駐車などの付帯サービスから収益を得ています。

同社の主要な顧客は個人旅行者と団体客で、客室収入が総収入の大部分を占めます。 個人の宿泊需要が歴史的に客室収入の約2/3、団体・会議需要が約1/3を占め、飲食やその他の付帯サービスの多くは宿泊客向けの利用が中心であるため、稼働率が収益全体に大きく影響します。

事業報告上は統合されたホテル運営セグメントが唯一の報告セグメントで、主な収益項目は客室、飲食・宴会、駐車やテナント賃料などの付帯事業です。 同社はブランド契約や管理会社との提携を通じて中央予約やマーケティングを活用し、資産の取得・売却や運営改善でポートフォリオの価値向上を図っています。

経営方針

同社は、主要都市とリゾートに集中する高品質なホテルポートフォリオを基盤に「プレミアの宿泊系REIT」を目指しています。現在は40軒・約2万5,000室を保有し、うち約87%超がラグジュアリー~アッパーアップスケールに位置付けられている点を強みとしています。資本配分では、有利子負債の構成を見直して流動性を確保する戦略を取り、2024年には合計で約2億2,700万ドルの設備投資を行う一方、株式自社買いを積極化して同年は約800万株・1億1,600万ドルを取得しました。財務面では2024年5月に5億5,000万ドルの社債(2030年満期)と2億ドルのタームローンを組成して2025年満期の高利回り債を償還するなど、長期的なバランスシートの柔軟性確保を目指しています。

重点投資分野は既存資産の価値向上で、客室改装やロビー・飲食・会議空間の刷新に重点を置いています。2024年以降は、ハワイやニューオーリンズなどのアイコニックなタワーで総額2億ドル超の客室改装プロジェクトを開始しており、顧客の好みに沿った設計や公共空間の活性化で差別化を図っています。また、ブランドの見直しやセグメント変更、用途転換(アダプティブ・リユース)といった施策で資産ごとに「最良の使い道」を追求し、主要ブランドの予約網や会員プログラムを活用して需要を取り込む方針です。

新市場開拓や事業拡大は、規模と取引実績を活かした機動的な買収・売却によって進められます。これまでスピンオフ以来で45軒・約30億ドルの売却を実行してバランスシートを改善してきた実績があり、今後も主要市場での単独資産やポートフォリオの取得を機会に応じて検討すると明言しています。資本政策の一環としては、配当義務を満たすためにREITとして課税所得の少なくとも90%を分配する方針を維持しつつ、株式の自社買い(2025年にも新たに3億ドル枠を承認)や選択的な取得により株主還元と成長投資を両立させる計画です。最近では一部物件のブランド転換(W Chicago → The Midland、W Chicago Lakeshore → The Wade)なども実行し、資産の再配置を具体化しています。

技術面では、運営と安全性の両面で投資を強化しています。サイバーセキュリティ対策は最高財務責任者が監督し、リスク管理委員会が設計・監督を行い、監査委員会へ定期報告する体制を取っています。具体的には監視システムやインシデント対応計画、社内訓練や想定演習の実施、外部ベンダーのリスク評価を通じて顧客情報と運営の安定性を守る取り組みを進めています。同時に、ブランドの集中予約網やデータに基づく料金最適化といった運用面の技術活用で需要動向に即応し、客室稼働率と平均宿泊料金の改善を狙っています。