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PINTEREST, INC.PINS
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事業内容
PINTEREST, INC.は画像を中心とした視覚的な発見プラットフォームを運営しており、ユーザーが「ピン」と呼ばれる画像やリンクを保存・整理するボードを作成してアイデアを集めたり共有したりできるサービスを提供しています。モバイルアプリとウェブサイトを通じてレシピ、住まいのデザイン、ファッション、手作りのアイデアなど日常の計画や創作活動を支援しています。
同社の主要な顧客は広告主で、プラットフォーム上でユーザーの興味に応じた広告商品を販売することで収益の大半を得ています。一般の利用者はコンテンツの受け手であると同時に発信者としても重要で、クリエイターや小売事業者との連携を通じたコマース関連の収入も拡大しています。
事業は大きく広告商品、クリエイター支援、コマース機能の三分野に分かれており、広告商品では画像や動画の広告や効果測定ツールを、クリエイター支援では収益化や制作支援を、コマースでは商品への導線や販売を促す機能を提供しています。加えて、利用者ごとに最適なコンテンツを表示する仕組みの強化や海外市場への展開にも注力しています。
経営方針
同社は広告収益の拡大と持続的な収益性の維持を成長の中心に据えています。直近では2024年通年で純利益18億6,210万ドルを計上し、過去の赤字から黒字化を果たしましたが、累積欠損金は依然として2億8,820万ドルあります。短期的には売上の拡大と同時に株主還元も重視しており、取締役会は2024年11月に最大20億ドルの自社株買い枠を承認しており、四半期末には約323万株(四半期合計の買付株数は約326万株、買付平均は月別で概ね28〜33ドル台)を取得しています。こうした取り組みを通じて、同社は広告主の信頼を獲得しつつ財務基盤を強化することを目指しています。
同社は重点投資分野として、広告の効果測定ツール、クリエイターや出版社向けの収益化支援、コマース機能の強化および情報品質管理を挙げています。差別化の源泉は「インスピレーションを与えるビジュアル発見体験」にあり、利用者が何を作りたいか・買いたいかを見つけやすくする独自の推薦やコンテンツ設計で広告主に価値を提供しようとしています。また、人材や技術の獲得を目的とした買収も戦略の一部で、専門人材や補完的な技術を取り込むことで競合との差を広げることを目指しています。
新市場開拓では国際展開の加速を計画しており、現地の販売組織と協業するリセラー方式を用いて広告販売体制を広げる方針です。ただし同社は市場ごとにローカライズされたコンテンツと販売体制が不可欠であると認識しており、場合によっては広告展開を限定・停止するなど柔軟に対応することも明示しています。オフィス面では世界で約50万平方フィートの拠点を保有している一方、リモートを主体とする柔軟な働き方を採用しており、これを踏まえた組織運営やカルチャー維持も事業拡大の重要課題と位置づけています。
技術革新への取り組みでは人工知能(AI)や機械学習を広告推薦、クリエイター支援、パフォーマンス測定に積極的に組み込み、第一者データやプライバシーに配慮した計測技術の整備を進めています。一方でインフラは主にAmazon Web Servicesに依存しており、その移行コストや運用リスクを認識した上で冗長化やセキュリティ投資を行っています。開発投資は継続的に行う方針ですが、サイト・アプリの改修は短期的に資本化される項目が限定的であるなど、実務面では段階的な投資判断を重視している点も特徴です。