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Sprott Physical Gold TrustPHYS
事業内容
Sprott Physical Gold Trustは物理的な金地金を保有して、その価値を投資家に提供する上場投資信託です。 同社は投資家から集めた資金で現物の金を購入して安全に保管し、取引所で売買できるユニットを通じて金価格へのエクスポージャーを提供しています。
主な顧客は金への直接的な投資機会を求める機関投資家や個人投資家で、ユニットの価格は保有金の時価に連動します。 同社の収益は主に純資産に対する管理手数料(年率0.35%を月割りで受け取ります)で、保管や事務にかかる費用は信託の資産から支払われます。
事業セグメントは単一で、上場ユニットの発行と物理金の取得・保管・管理が中心です。 同社は不動産など他の有形資産を保有せず、運用や保管業務は管理会社が担い、必要に応じて追加のユニット発行や上場による資金調達を行います。
経営方針
同社は物理的な金地金への単純かつ透明な投資を成長の中核に据えています。2010年3月の上場時に4億米ドルを調達し、その後の追加発行で合計約7.22億米ドルを集め(3月の追加発行で3000万米ドル、同月末に1250万米ドル、6月1日のフォローオンで2.795億米ドル)、2010年6月25日時点の1口当たり純資産価値(NAV)は約10.7144米ドルでした。同社は運用コストを抑えるために年率0.35%の運用管理料を設定しており、この低い費用率を武器に資産規模の拡大と収益性の確保を目指しています。
投資面では、受託資産の大半をロンドン・グッドデリバリー基準を満たす実物の金地金に投じることを重点としています。調達した資金は基本的に物理的金地金へ直接投資され、保管は独立したカストディアンが行い、外部監査による検証を受ける仕組みを採用しています。こうした「実物保有」「割当保管(allocated)」「外部監査」の三点セットと、0.35%という明確な手数料体系が競合製品との差別化要因になっています。
新市場開拓と事業拡大については、米国のNYSE ArcaおよびカナダのTSXでの上場を足掛かりに、機関投資家やアドバイザー向けの販売網拡大、引受業者を通じた追加公開(フォローオン)や二次流通の活性化を進めています。信託契約上はクラスやシリーズの設定が可能であり、必要に応じて新たな口種の導入や他市場での上場、あるいは販売提携の拡充といった手段で投資家基盤の拡大を図る計画です(重大事項の変更には受益者の承認が必要)。
技術革新については、物理資産の真正性とトレーサビリティーを高めるための管理体制整備を優先しています。具体的には、ロンドン市場の標準に沿ったバーの識別・管理、保管履歴の記録・監査体制の強化、日次のNAV算出とウェブでの情報開示の整備を進めています。また、決済や報告の効率化を目的に電子報告システムや新しい決済インフラの導入可能性も検討しており、保管・流通・情報開示の各領域で信頼性と透明性を高める施策を継続的に実行しています。