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PGI INCPGAI
事業内容
PGI Incorporatedは1958年設立のフロリダ州企業で、かつては住宅の建設・販売や宅地開発を主力にしていました。1990年代中頃以降は保有する不動産の売却に事業の軸足を移し、2022年12月21日に営業停止と解散・清算の決議を行いました。
同社の収益は保有土地の売却収入にほぼ依存しており、近年は売却が断続的で規模も小さくなっています。主要な取引先や資金関係は主要株主やその関連会社(Love Investment Companyなど)に偏っており、運営費が収入を上回る状況が続いています。
同社の残存資産はシトラス郡の通行権やチャールズ郡にある合計約58エーカーの小規模区画などで、湿地や通行制限、未納税といった開発・売却の制約がある土地が中心です。最終的に価値のある区画は主要優先株主に約20万ドルで売却し、その売却代金で関連債務の未払利息の清算を行いました。従業員はおらず、日常の管理業務は関連会社からの契約サービスでまかなっていました。
経営方針
同社は成長を追うフェーズにはなく、事業の清算と債務精算を最優先とする方針を掲げています。具体的には、2022年12月21日の理事会決議により営業を停止し、残存資産の売却を進めることで流動化を図ることを目指しています。実際に価値のある最後の区画を愛好関係会社であるLove Investment Company(LIC)に20万ドルで売却し、その売却代金をもって連結上残存していた関連債務の未払利息合計約52,709,836ドルの全額清算に充てる措置をとりました(会計上は債務免除に伴う特別利益として2022年に約95,081千ドルの純利益を計上)。同社は当面、追加的な収益拡大目標は掲げず、費用最小化と債務処理完了を目標に事業を終結させる方針です。
同社は新規投資よりも、保有不動産の換価と運営コストの抑制に重点を置いています。重点の対象はフロリダ州内に残る約58エーカーの小規模区画や通行権等で、これらは湿地や地役権など開発制約があり売却が難しい資産です。差別化戦略としては外部で大規模な販売チャネルを構築する代わりに、管理業務および会計業務を関連会社のLove Real Estate Company(LREC)に委託し、月額2,000ドルの管理費や四半期ごとの実務支援(資産評価、税申告の補助、株主名簿の管理など)で運営を継続しています。2022年には単独で2区画の売却により約39,000ドルを回収しており、残余資産の一元化・早期処分を優先しています。
新市場開拓や事業拡大の計画はなく、むしろ解散・清算計画を遂行することが同社の戦略です。会社は2019年以降「非活動法人」として報告を行い、2022年にはフロリダ州で事務的に解散されています。将来的な事業拡大や新規エリア参入は想定しておらず、滞納税負担のある区画については納税差押えや税販売への移行、もしくは関連当事者への処分などで処理する計画です。従業員はおらず(2022年末時点)、全業務は契約ベースで外部に委託しているため、人的負担を増やさずに清算を完了させる方針です。
同社は技術革新への投資も行わず、必要最小限の事務用システムをLREC経由で維持するにとどめています。内部統制については最高経営責任者と最高財務責任者の評価で2022年12月31日時点の開示統制は有効と結論していますが、2019年以降は監査手続きが限定され、2021年・2022年は会計事務所によるレビューを行っていません。したがって、システム投資や研究開発による競争優位の追求は行っておらず、清算プロセスを安全かつ効率的に完了するための最低限の情報管理維持が中心となっています。