PFIZER INCPFE

時価総額
$1387.2億
PER
研究開発型グローバルバイオ医薬品の最大手(1942年6月設立)。ワクチンや医薬品(Comirnaty、Paxlovid等)を展開。2022年にBiohavenを約118億ドルで買収、同年にArenaを約66億ドルで買収。約200カ国・地域に供給。

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企業概況
109文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
4項目)
ライバル企業
5社)
同業種の日本企業
4社)

事業内容

Pfizer Inc.は研究開発を基盤とするグローバルなバイオ製薬企業で、疾病の予防や治療につながる医薬品やワクチンの発見・開発・製造・販売を行っています。同社は治療薬やワクチンを通じて患者の寿命延長や生活の質向上を目指しています。

販売先は卸売業者、病院や診療所、薬局、政府機関などで、特にワクチンは公的機関への供給が大きな比重を占める場合が多いです。同社の収益は主に医薬品・ワクチンの製造・販売に依存しており、保険者や給付管理組織との契約や価格交渉が業績に影響します。

事業構成は、革新的な医薬品の研究開発と商業化を中核に置き、外部向けの受託開発・製造サービスやバイオテック企業向けの研究支援サービスも展開しています。同社は自社パイプラインの強化や他社との共同開発・買収を通じて、がん、感染症、免疫疾患、希少疾患など複数の領域で製品ラインを拡大しています。

経営方針

同社は安定的な成長と収益拡大を両立することを目指しています。2024年の売上高は約636億ドルと前年比7%増で、主要ドライバーは経口抗ウイルス薬Paxlovidや、2023年に買収したSeagenの事業寄与でした。成長戦略には自社のパイプライン推進に加え、戦略的な事業買収やアライアンスを通じたポートフォリオ強化が含まれ、費用構造の見直しで利益率を高めることも明確な目標になっています。具体的には、2025年末までに約4.5億ドルのコスト削減(Realigning our Cost Base Program)や、製造最適化の第一フェーズで2027年末までに約1.5億ドルの追加削減を見込むなど、数値目標を掲げています。

同社は重点投資をがん領域、ワクチン・抗ウイルス薬、そして製造・供給能力に置いて差別化を図っています。がん領域では2023年末のSeagen買収により抗体と薬物を結合する技術などの強化を図り、これにより2026年までに年間約10億ドルのコストシナジー創出を目指しています。一方でワクチンやPaxlovidは政府契約や季節需要に左右されるため、販売・価格対応力とともに供給体制の強化で市場ポジションを守ろうとしています。加えて、PC1(受託製造)やPfizer Igniteといった事業を通じて製造・開発サービスを外部にも提供し、規模と技術で差をつける戦略です。

新市場開拓や事業拡大では、新興国市場の成長ポテンシャルを重視し、約200の国・地域への供給網を活かして浸透を図っています。商流面ではワクチンを中心に各国政府との直接契約が重要であり、これを通じたアクセス拡大を進めています。成長機会の獲得には買収やライセンスが重要な経路であると位置づけており、近年のSeagenやBiohaven、Arenaなどの買収によって研究開発パイプラインと商業力を同時に補完する方針をとっています。ただし大規模買収は負債の増加を伴うため、同社は資本配分の最適化や買収後の統合で想定シナジーを確実にすることを重視しています。

技術革新への取り組みは、基礎研究からプラットフォーム技術、デジタルとAIの活用まで幅広く展開しています。同社は「R&D生産性の改善」を2025年の重点項目に掲げ、重点領域に研究投資を集中させることで開発成功率を高めようとしています。また製造面ではManufacturing Optimization Programを実施し、工程の効率化とコスト低減を図っています。AI利用は創薬やデータ解析を加速する一方で、データ品質やサイバーリスクに留意し、規制や倫理面の管理を強化する方針です。