- 米国企業
- Penumbra Inc
Penumbra IncPEN
ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン
- 企業概況
- (106文字)
- 業績概況
- テーマ
- ブランド
- (2項目)
- ライバル企業
- (3社)
- 同業種の日本企業
- (2社)
事業内容
Penumbra Incは、血栓を迅速かつ安全に除去することを中心に医療機器の開発・製造・販売を行っています。特にコンピュータ支援の吸引による血栓除去技術(CAVT)を含む製品群を主力とし、専門医が扱いやすい操作性と臨床効果の向上を重視しています。
同社は主に病院や専門医を顧客とし、米国、欧州、カナダ、オーストラリアでは直販組織を通じて販売し、その他の市場では代理店を使って販売網を拡大しています。売上高は2024年に約12億ドルに達しており、直販が収益の大部分を占める一方で、中国向けの技術ライセンスによる収入も得ています。
事業の主要な製品ラインは、血栓除去(スロットや吸引デバイス)、塞栓治療向け製品、血管アクセス関連製品、脳外科向け製品に分かれます。研究開発に力を入れており、新世代製品への移行や臨床データの蓄積、医師向け教育を通じて市場での採用とコスト効率の向上を図っていますが、没入型医療分野の事業は2024年に整理して撤退しています。
経営方針
同社は持続的な売上成長と株主還元の両立を目指しています。直近では2024年の連結売上高が11億9,460万ドルとなり、前年比で12.9%増加しましたが、営業利益は2023年の7360万ドルから2024年は930万ドルに減少しており、事業構造の最適化を進めています。株主還元では、2024年に総額1億ドルの加速買戻しを実行し計517,763株を取得したほか、最大2億ドルの買戻し枠を設定しており、同社は資本効率の改善と株主価値の向上を目指しています。
同社は製品開発と商業展開に重点投資しており、とくに血栓を迅速に除去する機器群や塞栓(血管をふさぐ治療)やアクセス(血管に到達するための器具)技術に資源を集中しています。創業以来の継続的な研究開発投資と現場の専門医との密接な関係を差別化要因とし、「早く、安全に、簡便に」という性能を重視する製品ポートフォリオで市場との接点を築いています。一方で、2024年には没入型ヘルスケア事業の撤退に伴い1億1,530万ドルの減損を計上しており、資源をコア領域に再配分することで競争力を高める方針です。
海外展開と生産基盤の拡大にも明確な計画があります。中国市場では2020年以降、販売パートナーへの技術ライセンスを段階的に実施し、技術移転に伴う固定支払いや一部製品では下流販売に対するロイヤルティを受け取る仕組みを構築しています。加えて、2025年2月14日にコスタリカで約33万平方フィートの医療機器製造・倉庫用地を取得し、建設費用は約3,500万ドルを想定、2027年の稼働完了を目標に製造能力を増強する計画を進めており、新市場での供給体制強化を図っています。
技術革新と品質管理の取り組みも継続しています。同社は臨床データを重視した製品改良を行い、規制申請を支える臨床活動に投資しているほか、2018年に取得した医療機器の単一監査認証(MDSAP)を2024年に再認証するなど品質体制を整備しています。また、サプライヤー管理やサイバーセキュリティの強化、開示統制の評価を行っており、経営側は2024年12月31日時点で開示統制が合理的な保証水準で有効であると結論づけています。内部統制や経営透明性を高めるため、取締役・役員による事前売買計画(Rule 10b5-1)も採用されており、例として一部役員は数千〜数万株の売却計画を設定しています。