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事業内容
Public Service Enterprise Group Incorporatedは、持株会社として主に電力と天然ガスの供給・送配電と原子力発電を手掛ける事業を展開しています。同社は子会社を通じてニュージャージー州の家庭や企業向けに電気・ガスを届ける一方、発電事業では原子力を含む発電資産を運営し、卸売市場でも電力を販売しています。
主要な顧客はニュージャージー州内の個人・商業・産業の需給者であり、これらの小売収入が同社の安定した収益の柱になっています。一方で発電部門は卸売市場での販売や契約に依存しており、規制収入と市場収入の組み合わせで全体の収益を構成しています。
事業は大きく二つの報告セグメントに分かれており、ひとつは送配電と小売サービスを担うPSE&G、もうひとつは発電とその他をまとめたPSEG Power & Otherです。PSE&Gは規制された送配電や州の太陽光・省エネプログラムに投資し、PSEG Powerは原子力発電や燃料調達、卸売販売のほか、ロングアイランド向けの運用サービスや持株会社としての管理・サービス部門も含んでいます。
経営方針
同社は長期的な株主価値の最大化を目指しており、そのために事業ポートフォリオの簡素化と資本配分の集中を進めています。直近の業績では2024年のPSE&G単体の当期利益が約15.47億ドル、グループ全体の純利益が約17.72億ドル(希薄化後1株当たり利益3.54ドル)となっており、収益の中心をPSE&Gの規制事業に置くことで予測可能性の高い収益基盤を確保する方針です。加えて、経営陣は規制当局や市場環境の不確実性に備えつつ、格付け維持や安定したキャッシュフローを重視した資本政策を採っています。
重点投資分野は送配電網の近代化、クリーンエネルギーと需要削減(エネルギー効率、EE)プログラム、そして原子力発電の維持・強化です。具体的には、PSE&Gは送配電(T&D)設備への投資で信頼性と回復力を高めること、ニュージャージー州のBPUが規制するソーラー事業やEEプログラムへ積極的に資金を投入することを掲げています。原子力については税制上の支援(PTC)により2032年まで運転支援が見込まれ、ホープクリーク炉の給炭・定期検査サイクルを18か月から24か月に変更するなど稼働率改善や出力向上の施策を検討しています。
新規市場開拓や事業拡大では、競争的な送電投資やPJM(地域送電運用機関)プロセス、BPUの公募への参加を通じて規制された収益機会を拡大する計画です。同社はまた、PSEG Powerによる発電容量の市場販売やエネルギー・排出クレジットの取引、PSEG Long IslandによるLIPAとの運用サービス契約の継続など、既存事業と周辺領域での収益化を図っています。将来的には買収・売却・事業提携など幅広い戦略オプションを検討し、顧客と株主に価値を還元する案件を選択的に実行する方針です。
技術革新への取り組みとしては、系統のデジタル化・自動化やレジリエンス向上、サイバーセキュリティ投資を強化しています。電力・ガスの需給管理やトレーディングリスク管理ではVaR(価値・危険度)モデルを運用し、2024年末の短期評価では95%信頼水準で36百万ドルというデータを公表するなどリスク管理を数値で把握しています。加えて年金・退職給付の信託資産は約44億ドル、原子力の廃止措置信託(NDT)では株式や債券を組み入れており、財務面と技術面の双方で安定性と将来対応力を高める取り組みを続けています。