Pebblebrook Hotel TrustPEB

時価総額
$13.1億
PER
ホテル投資・資産運用の大手。アッパーアップスケールのフルサービスホテルとCuratorコレクションを展開。2023年2月に総額1.5億ドルの自社株買い枠設定、2024年に1,127,255株を買戻し。米国主要都市中心に展開。

事業内容

Pebblebrook Hotel Trustは、米国の主要都市や選定したリゾート地にある上級フルサービスホテルを主に保有する上場の不動産投資信託(REIT)です。同社は客室だけでなくレストランや会議施設などを備えたホテルを取得し、改装や再ポジショニングで資産価値を高めることを重視しています。

同社の主要な顧客はビジネス出張客、レジャー目的の個人客、そして団体や学会などのグループ需要で、客室稼働率と宿泊単価が収益の中心です。運営は第三者のホテル運営会社に委ね、同社は賃料や資産管理を通じて安定的なキャッシュフローを獲得しています。

同社は事業を大きく資産取得・投資、資産管理・運営監督、物件の改修・再開発やブランド強化の三領域に分けている。加えて独立系ライフスタイルホテル向けのCuratorコレクションに出資し、ブランド支援や共同の運営・技術導入で差別化を図りながら都市とリゾート双方での収益拡大を狙っています。

経営方針

同社は株主価値の拡大を成長戦略の中心に据えており、取得・再開発・資本配分の組み合わせでポートフォリオを拡大・最適化することを目指しています。具体的には機動的な買収や既存資産の再ポジショニングを通じて収益力を高め、同時に株式買戻しや配当で株主還元を行う方針です。直近では2023年2月に総額最大1億5,000万ドルの普通株買戻しプログラムを承認しており、2024年には112万7,255株(約1,500万ドル、1株当たり平均13.31ドル)を取得、2024年12月31日時点で約1億3,100万ドル分が残っています。普通株の発行済株式数は2025年2月21日で約1億1,981万株、2024年6月30日時点の非関連株主保有分の時価総額は約16億ドルでした。

同社は投資対象を「上位のフルサービス型(upper‑upscale)」ホテルとリゾートに絞り、主要ゲートウェイ都市や沿岸のレジャー市場など参入障壁が高い地域に重点投資することで差別化を図っています。具体的にはサンディエゴ、ボストン、南フロリダ/ジョージア、ロサンゼルス、サンフランシスコ、シカゴ、ワシントンD.C.などを主要市場とし(例:2024年の拠点別売上はサンディエゴ約3.35億ドル、ボストン約2.74億ドル、南フロリダ/ジョージア約2.50億ドル)、物件の立地・施設・サービスを再整備して平均客室単価(ADR)や客室稼働率を押し上げることを重視しています。運営面では第三者運営会社との柔軟な契約や積極的なアセットマネジメントで運営改善を図り、独自のブランド集合体「Curator」を通じて独立系ライフスタイルホテル向けに所有者重視の支援・技術を提供する点も差別化要素です。

同社は新市場や事業拡大については選択的かつ機会主義的に取り組んでおり、買収だけでなく、担保付債権の取得や共同投資、部分的な売却を通じて資本を循環させる計画です。リゾート系資産は主要都市圏近傍のデスティネーションに重点を置き、資金調達は普通株・優先株・各種負債を組み合わせて満期分散を図る方針です。なお同社は普通株最大5億株、優先株最大1億株の発行権限を持ち、2024年末時点で優先株の発行残高(E〜H各シリーズ合計)は2,760万株である点も資本戦略の一部です。

同社は技術革新とESG関連投資を成長の補助線と位置づけており、長期の資本投資計画に「技術アップグレード」や省エネルギー施策を明記しています。具体例として、フィフス・ウォールの後期気候テクノロジー・ファンドに対し出資8.7百万ドル、総コミットメントは1,000万ドルとしており(2024年12月31日時点)、エネルギー効率化や気候関連技術への投資を通じて運営コスト低減と資産価値向上を図っています。加えてCuratorを通じた運営・収益管理ツールの導入や、同社経営陣が内部統制(KPMGによる監査含む)の有効性を評価・維持している点も、データ駆動の経営とリスク管理に対する取り組みを示しています。