PG&E CorpPCG

時価総額
PER
電力と天然ガスの供給・送配電の大手。スマートグリッドやガス貯蔵・輸送などの送配電サービスを展開。2024年の顧客数5,606,873人、売電量74,111GWh、営業収益17,811百万ドルを計上、2025年1月に米エネルギー省・連邦金融銀行との融資契約を締結。北部・中部カリフォルニアで展開。

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企業概況
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事業内容

PG&E Corpはカリフォルニア州北部と中部で電力と天然ガスの販売・供給を主力とする公益事業会社です。同社は電力・ガスの配電網や送配電設備の維持・運用を中心に、家庭や事業所への安定供給を担っています。また、系統の監視や復元力向上に向けたインフラ投資や運用改善にも注力しています。

主要な顧客は住宅、商業施設、工場、農業部門や自治体など幅広く、約560万件の顧客基盤を通じて電気とガスを届けています。同社の収益は規制料金に基づく使用量課金が中心で、配達や検針・請求といったサービス収入も重要な柱になっています。なお、特定の単一顧客が売上の大部分を占めることはありません。

事業は大きく電力部門と天然ガス部門に分かれ、電力では送配電の運用、停電対応、系統の近代化や安全対策を行っています。ガス部門では住宅向けの供給と輸送を一括して行うサービスのほか、大口向けのバックボーン輸送、配達、貯蔵といった個別サービスを提供しています。加えて、山火事対策や規制対応を伴う設備投資が事業運営上の重要な要素になっています。

経営方針

同社は安定した収益基盤を維持しつつ、設備投資を通じた持続的成長を目指しています。2024年の同社の顧客数は約560万6千人、電力供給量は74,111 GWh、営業収入は約178.1億ドル($17,811 million)と大規模な事業規模を有しており、投資家に対しては「人・環境・繁栄」の三側面(トリプルボトムライン)での価値創出を掲げています。加えて、1顧客当たりの純設備投資額は2024年に約11,460ドルとなっており、設備更新と拡張を通じて供給信頼性と収益性の同時改善を図る方針です。

同社は重点的にワイルドファイア対策と送配電網の近代化に投資しています。具体的には送電設備の強化、植生管理の拡充、ワイルドファイア緩和計画の実行などを進め、停電リスクや火災リスクを低減することで他社と差別化を図っています。さらに、コンコード、ロックリン、フレズノに配置した配電制御センターなどを活用して系統の監視・制御を高度化し、安全性と復旧力を高める運用を目指しています。

新市場開拓や事業拡大では、同社はガスのバックボーン輸送や貯蔵サービスを非コア顧客向けに提供するなど、既存インフラを活かした収益機会の拡大を進めています。約97%のコア顧客が同社の「一括供給」サービスを利用しており、これを基盤に大口産業向けや発電事業者向けのサービス拡充を図っています。また、債権の売却やSB 901による証券化、政府系のローン保証など多様な資金調達手段を組み合わせて大型投資を賄う計画です。

同社は技術革新を経営の中核に据え、よりスマートで復元力のある電力網の実現を目指しています。配電制御センターの高度化に加え、マイクログリッドや遠隔監視、植生管理のデータ化などを進めており、Lean(無駄を削ぐ)運営で意思決定の迅速化とコスト抑制を図っています。これらの取り組みにより安全性の向上と長期的な費用対効果の改善を両立させることを同社は目指しています。