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事業内容
PACCAR INCは大型商用トラックの設計・製造・販売を中心に事業を展開する米国企業です。同社は自社ブランドのトラックのほか、エンジンや電動化技術、車両向けの部品や整備サービスも提供しています。
同社の主要顧客は長距離輸送や建設、物流などで車両を大量に運用する企業と、個人のトラック運転者、世界各地の販売店です。収益は新車販売が中心で、部品販売と整備サービス、さらに車両販売に伴うローンやリースが安定した繰り返し収入源になっています。
事業は大きく「トラック」「部品・アフターサービス」「金融サービス」の三本柱に分かれており、トラック部門は北米と欧州向けの大型・中型車を生産しています。部品部門は自社の流通網で整備部品を供給し、金融部門は販売支援のローンやリース、資金調達を通じて販売を後押ししています。加えて同社は排出規制に対応するためクリーンディーゼルや電気・燃料電池など次世代動力の研究開発に投資しています。
経営方針
同社は安定的な収益成長と株主還元の両立を目指しています。2024年の純利益は約41.6億ドル、営業活動によるキャッシュ創出は約46.4億ドルと強いキャッシュフローを確保しており、同年末の現金と有価証券は約98.4億ドルに達しています。株主還元も重視しており、2024年の現金配当支払額は約21.9億ドル、1株あたり配当は4.17ドルでした。これらの数値は、短期的な市場変動に左右されにくい財務基盤で成長投資と配当の両立を図る戦略を示しています。
重点投資分野としては生産設備と商品化可能な技術への投資を挙げています。2024年の有形固定資産への支出は約8.39億ドル、営業リース用機器の取得に約9.07億ドルを投じるなど生産能力とリース在庫の拡充に注力しています。差別化の源泉は自社でのエンジン製造や世界各地の部品流通網(部品ディストリビューションセンターを多数運営)による供給安定性とブランド力で、為替変動リスクには派生金融商品や現地生産で対応しています。製品保証引当は2024年末で約6.06億ドルと、品質・アフターサービスの負担も管理しています。
新市場開拓と事業拡大では、ゼロエミッション車を含む代替パワートレイン領域への展開を明確に打ち出しています。米国や欧州の排出規制に対応するため、クリーンディーゼルに加え、電動化や水素技術の研究開発を進めており、米国でのバッテリー生産合弁(Amplify Cell Technologies)に30%出資して2024年末までに約2.08億ドルを拠出、同投資の最大拠出見込みは8.30億ドルです。また金融サービス部門でも小口ローン・リースの原資供給や販売促進を続けており、2024年の小口貸出・リース起案額は約66.67億ドル、同部門の総資産運用で事業拡大を支えています。
技術革新への取り組みは製品面と運用面の双方で進んでいます。車両・パワートレインの低排出化技術や電池・燃料電池の実用化に向けた研究開発を継続しているほか、ワシントン州とオランダに試験・研究施設、カリフォルニアのイノベーションセンターを活用して開発スピードを高めています。加えて情報セキュリティではNISTのフレームワークに基づく管理体制を敷き、侵入テストや年次の従業員訓練、取締役会への報告を行うなど運用リスク低減にも投資しており、技術とガバナンスの両面から競争力強化を図っています。