POTBELLY CORPPBPB

時価総額
$5.2億
PER
サンドイッチ中心のファストカジュアル飲食業の有力企業。アプリ経由が40%以上のデジタル注文やPDKデジタルキッチンを展開。2024年5月に2,000万ドルの自社株買い枠承認、2024会計年度に164,046株を買戻し。米国中心に展開。

事業内容

POTBELLY CORPは全米でサンドイッチを中心としたファストカジュアル飲食店を展開し、店内飲食、テイクアウト、ドライブスルー、配達やケータリングなど複数のチャネルで商品を販売しています。主力商品は注文ごとに仕上げるサンドイッチのほか、スープ、サラダ、クッキー、ドリンクなどです。

同社は直営店の売上に加え、フランチャイズ契約からのロイヤリティや加盟金、開発手数料などで収益を得ています。注文の約40%が同社のアプリやウェブ、第三者配達を通じたデジタル注文で占められ、ランチが最も売上の多い時間帯ですが曜日を通じて安定した需要があります。

事業は直営店とフランチャイズ店の二本立てで展開しており、フランチャイズ比率の拡大を成長戦略の柱としています。オペレーション面ではPotbellyアプリやPotbelly Digital Kitchenを使ったデジタル注文処理の強化、複数の卸業者や主要パン・肉サプライヤーとの調達体制構築などで供給網と現場効率の改善に取り組んでいます。

経営方針

同社は「最も愛されるサンドイッチブランド」を目指し、事業拡大と株主還元の両面で成長を図っています。直近では2024年5月に株式買戻し枠を新たに2,000万ドルで承認し、同年は164,046株を約140万ドルで買い戻しており、2024年12月時点で残り約1,860万ドルの買戻し余地を残しています。資金面では営業活動によるキャッシュ創出が2024年に約1,966万ドルと堅調であった一方、設備投資や借入金の返済に伴い投資・財務活動での出費も発生しており(投資活動で約1,908万ドル、財務活動で約2,264万ドルの資金流出)、財務フレームの中で成長と安定化を両立させようとしています。市場での時価総額は2024年6月30日時点で約2億4110万ドル、発行済株式数は2025年2月23日時点で29,879,504株です。

同社は差別化に向けてデジタルと店舗体験に重点投資しています。店舗と本部をつなぐPOSや中央データウェアハウスを活用して運営効率を高め、2023年から導入した「Potbelly Digital Kitchen(PDK)」は既存店に後付けしつつ新規店設計にも組み込み、デジタル注文の処理を効率化しています。現在の売上の約40%がアプリやウェブ、外部配達を含むデジタル経路によるもので、ロイヤルティ制度も2024年1月に「Potbelly Perks」を改良してコイン制を導入(会員は支出に応じて1ドルあたり10コイン以上獲得、コインは原則1年で失効)し、顧客の囲い込みと頻度向上を図っています。店舗面では「Good Vibes」を標榜する接客と、時間帯別の適正シフトでランチ中心の需要を支えています。

新市場開拓と事業拡大はフランチャイズ主導のモデルを中心に進めています。同社は「ほぼ完全フランチャイズ化」を目指す戦略を掲げ、地域独占権や開発手数料を含むフランチャイズ契約で外部資本を活用して出店を加速する計画です。開発手数料は新規店の初期フランチャイズ料へ充当され、既存の自社運営店を再フランチャイズ化するなど資産組替えも行っていますが、フランチャイジーの資金調達力や運営力に依存するリスクも明確に認識しています。またサプライチェーン面では肉類が購入構成の約30%を占め、2024年は肉製品の約90%を10社から非独占契約で調達し、食材供給の90%以上を6社の主要流通業者網を通じて確保するなど、調達の安定化と代替サプライヤーの確保に取り組んでいます。

技術革新では、店舗の販売管理と決済の高度化、デジタル注文処理の自動化に注力しています。クレジットカード処理はポイント対ポイント暗号化を採用し業界のセキュリティ基準に準拠、POSデータは中央で集約して店舗運営やトレーニングに活用しています。PDKの導入により、店内のデジタル受注回線を整備して処理時間と顧客満足度を改善し、2024年はデジタルプラットフォームへの追加投資が行われたことから、今後も店舗設計・オペレーション・顧客接点の技術的最適化を通じて差別化を進める方針です。