Paysign, Inc.PAYS

時価総額
$3億
PER
決済プラットフォームとプリペイドカード管理の有力企業。エンドツーエンドのカード発行・アカウント管理とプレミアムカード製品を展開。2025年3月のGamma資産買収。米国中心に展開、管理カードプログラム600件、参加カード保有者約730万人。

事業内容

Paysign, Inc.は企業向けのデジタル決済プラットフォームを運営し、報奨金やリベート、支援金などを迅速に送金できる前払い式カードと関連サービスを提供しています。 同社は取引処理からカード利用者の登録、残高のチャージ、口座管理、顧客対応やデータ分析までを一括で管理する仕組みを持っています。

主要な顧客は、顧客や従業員、代理店への一括支払いを効率化したい企業で、報奨や払い戻し、支払支援などが中心です。 同社は複数のカードプログラムを同時に運用して手数料やサービス収入を得ており、カードへの入金総額やその活用率が売上の重要な指標になっています。

事業は法人向けのプログラム管理や、消費者向けの「Paysign Premier」など複数の製品ラインで構成されています。 同社は銀行と連携して規制下でカードを発行・運用し、営業は自社のセールスや提携パートナーを通じた直接販売を中心に展開しています。

経営方針

同社は成長を売上拡大とキャッシュの持続可能性で両立させることを目指しています。成長の主要指標として「カードにチャージされた総額(Gross Dollar Volume、GDV)」とそのコンバージョン率を重視しており、これらを四半期・年次の収益拡大につなげる計画です。経営陣は、手元現金と2025〜2027年の収益・キャッシュフロー見通しが今後24か月の事業継続を支えると見込んでおり、2025年は技術改良、営業・マーケティング、サイバーセキュリティ、不正対策、顧客サービス、規制対応に追加投資を行う方針です。

重点投資分野では、同社はプリペイドカード関連の「エンドツーエンド」提供能力を差別化の核と位置づけています。具体的には取引処理、カード発行と登録、残高のロード、アカウント管理、データ分析、顧客対応まで一貫して提供することで、クライアント側システムへの統合負担を下げることを目指しています。加えて同社はオンサイトでの社内カスタマーサービスや戦略的マーケティングパートナー経由の販売を重視しており、2024年末時点で約600のカードプログラムを管理し、約730万の参加カード保有者を抱えている点が事業の安定性と差別化要素になっています。

新市場開拓と事業拡大では、同社は自社の決済プラットフォームを横展開して新たな製品・サービス領域へ進出する計画です。2025年以降は内部留保での拡張を前提としつつ、必要に応じて資金調達を行う可能性も示しており、株主還元面では取締役会が最大500万ドルの自社株買い枠を承認していることや(2024年末までに531,258株、約162万ドルを買戻済み)、2025年2月にさらに100,000株を買戻した実績がある点から資本効率にも配慮しています。最近では2025年3月にGamma Innovationの資産を取得しており、取得対価は現金を5回分割で支払う構成に加え、制限付き株式2,500,000株を付与するなどM&Aを通じた能力強化も積極的に進めています。

技術革新への取り組みは多層的で、同社はシステムの互換性・柔軟性・拡張性を重視したアーキテクチャを掲げています。セキュリティ面では24時間365日の外部セキュリティ運用センターの利用、半期ごとの外部による侵入テストとセグメンテーション検査、ベンダーリスク管理による第三者監督、データ暗号化やアクセス制御の強化といった具体的施策を実施しています。なお、将来的に人工知能の活用を進める一方で、AIに関する法規制や知財の不確実性にも留意し、コンプライアンスと技術開発の両面で慎重に対応する方針です。