PENSKE AUTOMOTIVE GROUP, INC.PAG

時価総額
$102.9億
PER
自動車と商用トラックの大手小売・流通事業者。FreightlinerとWestern StarでClass8市場の約42.9%を占める販売網を展開。2024年の総収入は305億ドル、PTSに28.9%出資。米、英、加、独、伊、日本、豪州・NZで展開。

事業内容

PENSKE AUTOMOTIVE GROUP, INC.は自動車と商用トラックの販売・サービスを軸に、世界各地で流通・整備・ファイナンスを手掛ける総合的なモビリティ事業会社です。同社は新車・中古車の小売、点検・整備、部品販売、衝突修理、そして自動車ローンやリースなどの付帯サービスをワンストップで提供しています。

同社の顧客は一般の個人購買者から企業のフリートオペレーター、自治体やレンタカー会社など多様で、2024年の売上高は約305億ドルに上ります。その内訳は小売自動車が約262億ドル、商用トラック小売が約35億ドル、オーストラリア・ニュージーランドでの商用車流通などが約7.8億ドルで、整備・部品は売上の重要な利益源(小売自動車収入の約11.7%、粗利益の約41.7%)です。

事業は主に小売自動車ディーラー網、商用トラック販売・サービス(Premier Truck Group等)、そしてオーストラリア・ニュージーランドでの商用車およびエンジン等の流通に分かれます。加えて同社はPenske Transportation Solutionsに約28.9%出資し、リースや保守を含む大規模なフリートやサプライチェーン領域にも関与しており、デジタルマーケティングやAIを活用した顧客対応で販売・サービス効率を高めています。

経営方針

Penske Automotive Group(同社)は、規模拡大と株主還元の両立を成長戦略の中心に据えています。2024年の連結売上高は約305億ドル、粗利益は約50億ドルで、リテール自動車部門が約262億ドルを占めています。成長は有機的な店舗拡大と積極的な買収の組み合わせで進めており、2024年には英国で16店舗、イタリアで2店舗、オーストラリアで複数のフランチャイズや中古販売店を取得するなど計画的に事業規模を拡大しました。同社は安定したキャッシュフローで配当(2025年3月に1株当たり1.22ドルを発表)と自社株買い(取締役会承認の残枠約1億5680万ドル)を継続し、株主還元を図る一方で成長投資を両立させることを目指しています。

同社は高収益分野への重点投資で他社と差別化を図っています。サービス・部品は小売自動車収益の約11.7%を占める一方で、粗利益の約41.7%を稼ぐ重要な収益源であり、同社は修理や保証、ボディショップなどのワンストップ提供で高マージンを確保することを目指しています。またプレミアムブランドの比率が高く、リテール自動車収入の約72%がアウディやBMW、メルセデスなどプレミアムブランド由来であるため、ブランド力とプレミアム顧客の獲得によって収益性を高める戦略をとっています。こうした取り組みの結果、買収に伴うSG&A増(買収関連で約1億3950万ドルの増加)があっても、同社は同一店舗ベースではコスト管理により同店SG&Aの抑制を図っています。

新市場開拓と事業拡大は世界展開の継続が柱です。現在、米国、英国、カナダ、ドイツ、イタリア、日本、オーストラリアなどで拠点を持ち、商用車分野では北米で強い存在感を持つPremier Truck Group(PTG)を通じてフレイトライナーなど主要ブランドで市場シェアを伸ばしています。商用車流通はオーストラリア・ニュージーランドでも展開しており、2024年の豪州・NZの大型トラック販売は2万余台で推移する市場へ着実に供給網を広げています。さらに、同社はPenske Transportation Solutions(PTS)に約28.9%出資しており、PTSからの分配金は2024年に約9840万ドルを受領するなど、関連事業を通じた収益多様化と提携による拡大を目指しています。

技術革新への取り組みでは、デジタル化とサイバーセキュリティを両輪に顧客体験と業務効率を高めています。顧客向けにはデータ駆動のオンライン戦略やパーソナライズされた接点を強化し、チャンネル横断で購入から予約、アフターサービスまでをシームレスに提供することを目指しています。現場ではAI音声アシスタントによるサービス受付やリード対応システム、整備士と顧客をつなぐ動画による整備説明、AIによる24時間の予約受付などを導入済みです。一方で情報管理面では多層防御の情報セキュリティプログラム、定期的な脆弱性スキャンやフィッシング訓練、インシデント対応チームと外部専門家の活用でリスク軽減に努めています。これらにより、同社は顧客利便性と信頼性の両立を図ることを目指しています。