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OCCIDENTAL PETROLEUM CORPOXY
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事業内容
OCCIDENTAL PETROLEUM CORPは国際的なエネルギー企業で、主に石油・天然ガスの探査・生産を中核にしつつ、化学製品の製造や中流(輸送・加工・貯蔵・販売)事業、低炭素技術への投資も行っています。同社は上流での資源開発に加えて、化学部門やカーボン除去などの新規事業を組み合わせた総合的な事業モデルを展開しています。
同社の顧客は精製業者や電力会社、産業向けの化学品ユーザー、建設や医療関連の製品メーカーなど多岐にわたり、売上は油・ガスの販売収入、化学製品の販売、そして中流の手数料・サービス収入で構成されます。中流事業は自社グループや第三者向けの契約に基づく安定的な手数料収入を生み、化学部門はボリュームとコスト競争力で収益を支えます。
事業セグメントは大きく上流(米国内のペルミアンやDJ盆地、メキシコ湾岸、海外ではオマーン等)、中流・マーケティング(集荷・処理・パイプライン・貯蔵・ターミナル運営)および化学(塩素、苛性ソーダ、エチレン由来の塩化ビニルやその樹脂などの基礎化学品製造)、さらにOxy Low Carbon Venturesによる直接空気捕集やCCUSといった低炭素ソリューションに分かれます。同社は化学部門で米国有数のシェアを持ちつつ、中流でのインフラや低炭素技術を通じて付加価値を高めることを目指しています。
経営方針
同社は資本効率の高い成長によって株主価値を高めることを目指しています。2024年に約70億ドルを高収益資産へ投資し、同年8月にはCrownRock買収(買収総額は約124億ドル、買収完了日:2024年8月1日)を通じてペルミアン盆地の資産を拡充しました。経営目標としては生産基盤の維持・強化と安定的な配当の継続を掲げ、2024年の年間配当は1株当たり0.88ドル、2025年2月には四半期配当を0.24ドルに引き上げ(前期比9%増)ています。また、借入金の健全化を重視しており、余剰キャッシュや資産売却益は元本圧縮に優先的に充て、主要債務の残高を150億ドル未満にすることを優先課題としています。
重点投資分野は石油・ガス、化学、ミッドストリーム(輸送・貯蔵)に加え、カーボンマネジメントと低炭素事業です。化学部門(OxyChem)は米国内で主要製品の市場シェアが上位であり、低コスト生産を競争優位にしています。生産能力の具体例として塩素は年間約320万トン、苛性ソーダは約330万トン、ビニルクロライド前駆体のEDCは年間約21億ポンド、VCMは約62億ポンド、PVCは約37億ポンドの能力を有しています。石油事業ではEOR(増進回収)と共有インフラを活用したコスト効率化に強みを持ち、これらを組み合わせた統合ポートフォリオで他社と差別化しています。
新市場開拓や事業拡大は資産買収と低炭素分野の商業化の両面で進められています。CrownRock買収に伴い米国主要鉱区での権益を拡大しており、ミッドストリームや化学製品の市場アクセス強化を図っています。一方で低炭素ではOxy Low Carbon Ventures(OLCV)を通じてダイレクト・エア・キャプチャ(DAC)などの事業化を進め、STRATOSプロジェクトは完成時に最大で年間50万トンのCO2回収を想定しており、第1フェーズは約25万トン/年の能力で2025年中頃に運転開始を予定しています。加えてNET Powerなど外部技術への出資や、再編成された自社の株主還元策(買戻しプログラム上限は最大30億ドル、2024年末時点で残額約12億ドル)を絡めて成長資金と資本配分を最適化しています。
技術革新については、同社は従来の石油回収技術に加えて脱炭素技術を戦略的に導入・育成することを目指しています。直接空気回収(DAC)やCO2の回収・輸送・貯留を組み合わせた事業化、NET Powerのような低排出電源の商用化支援、さらにCarbon Engineeringの買収や社内の技術人材育成プログラム(STEP)を通じて技術力を強化しています。これにより同社は短期的な現金創出力を維持しつつ、長期的には低炭素市場での収益化を図る二本立ての戦略を進めています。